喫茶と読書 ひとつぶ

20200912

坂口恭平さんの『TOKYO一坪遺産』読みました。面白かった。最近ツイッターのTLで坂口さんのパステル画をたくさん見ていました。とてもいい絵で、何時間でも見ていられそうな懐かしい景色。実物は絵はがきくらいで小さいみたいですが、すごく細密な感じがして、パステルで小さくてこのクオリティ!と思っていました。坂口さんのつぶやきも面白くて、そんな折、せんぱくBOOKBASEさんでこの本を見つけて、迷わず購入。

発行されたのは2009年で10年ほど前なのですが、ツイッターで読んでいた坂口さんそのままで、歴史の小説に出てくる人みたいな元気の良さというか、割り切りの良さというか、そんな爽快さに満ちた文章。そして、建築というものに対する柔軟な考え方がすごい。バウハウスでしたっけ、着る建築みたいなことをやっていたのは?そういう概念から疑ってみようという、エネルギーが要求される問いかけを、ものすごくたくさんの事例の中でやっている。すごい。

時系列で並んでいるのではないのかもしれないけれど、初めは箱としての一坪遺産なのだが、次第にミニチュア、豆本、小説の中の町と概念が箱から離れていっている。それでも坂口さんの中でそれが建築としてきちんと分類されていることが説明されているので、こちらも不安なくそれを理解して読み進められる。『立体読書』は面白い。佐藤春夫の『美しき町』は絶対に読もうと思った。

萩原朔太郎、マルセル・デュシャンと、私の大好きな人たちのことが出てくるのも嬉しい。そういえば、この間映画の『ブルースブラザーズ』を高校生の頃毎日見ていた、ということを呟いてい他のだが、何を隠そう私も、この映画が大好きなのだ。あんなに音楽への愛に溢れた映画はない、といってもいいと思っている。そういうところでも親近感が湧いている。楽しい本でした。

さて、本日もきていただいたお客様、ありがとうございました。ブログを読んでくださっているということで、また変なことを書きなぐってしまっています。明日もどうぞよろしくお願いします。それではお休みなさい。