喫茶と読書 ひとつぶ

20230116

少し前に、「異次元」という言葉に違和感を感じる、と書きました。その後からもそのことがどうも気になっていました。だからなのか、テレビやラジオ、書き言葉ではあまり見なかったけど、身近な人も、意外と「異次元」という言葉を使っているんですね。そういえば、と記憶が蘇ってきて、「異次元に」おいしい、という言い回しは聞いたことがあるぞ、と思い出しました。「異次元の」足の速さ、というのもありそうです。

「異次元に」おいしい、と言った場合、この「異次元に」とは、副詞なんです。つまり、おいしいを修飾しているのです。副詞というのは名詞以外の言葉を修飾します。そして意味としては「異次元に」=とても、非常にということですよね。これを「異次元の少子化対策」という言葉に当てはめると、「とても少子化対策」ということになってしまう。少子化対策、というのは名詞です。おいしいとか、(足が)速いというような状態を示す言葉ではありません。例えば「異次元に」素晴らしい少子化対策、または「異次元に」速やかな少子化対策、という言い方ならばすんなりくるのではないでしょうか。

私が抱いた違和感というのは、こういうものだったんだと思います。少子化対策というものは、それ自体はなんの状態も示しません。そういう対策、法律ということです。重箱の隅をつつくようですみませんが、このような言葉の使い方をすること自体、どんな対策をするのか、というビジョンがないのでは、というのは言い過ぎですね。

理屈は捏ねてみましたが、実際には「異次元の」というのが既に形容詞のように使われているということだと思います。「異次元にすごい」という意味なのでしょう。なんだか深追いしてしまいましたが、久しぶりに副詞とか形容詞とか、活用とか調べてしまいました。でも、ものすごく調べたわけではないので、間違っていたらご指摘お願いします。ぼやっと違和感を抱いていただけではそのままで終わっていたのでしょうが、ブログに書く、ということで意識的になるものです。言葉を書いて誰かに読んでもらう、というのはたとえこんなしょぼいブログであっても、どこかに重みがあるのですね。

それでは今日は帰ります。今週もとても忙しくて、ありがたい毎日でした。二日間充電して、また木曜日からがんばります。明後日はブログ書きますね。それではおやすみなさい。