喫茶と読書 ひとつぶ

20221204

久しぶりに忙しい1日でした!4時くらいまで座れなかったです。でも今日はそんなにヘトヘトではないです。ちょっと眠いです。

昨日本を読み終わりました。『ストーリーが世界を滅ぼす』という本です。ちょっと煽りすぎな装丁だし、タイトルだなと思ったけど、どうしても読みたくて読みたくて買ってしまいました。結果的に、面白くはあったけど、求めていたものではなかったかも、という感じです。

なぜそんなにこの本が読みたかったかというと、「物語」ということに関心があったからです。昔就職活動をするときに、父に言われたことがあります。なぜその職種を選ぶのか、なぜその会社を選んだのか、そのきっかけになった出来事を話しなさい。ところが、私にはそのきっかけというのが思いつかなかった、思い出せなかったのです。

考えてみると、いつもそうなのです。例えばビートルズが好きになった時だって、なんとなく60年代の熱狂、ファンの女の子たちがあげる悲鳴がすごく魅力的に思えて仕方なくて、その映像や音が聞きたくて。そういう気持ちがぐーんと体の中で育っていって、赤盤買って、青盤買って。そんな感じです。その悲鳴をいつ見たのか、いつ聞いたのかわからないのです。果たしてそれがビートルズに向けられたものだったのかも怪しい。

そんなことばかりなので、母親はもう慣れっこで、あ、また始まったね、という感じです。それまでもそうやって夢中になったものがたくさんあったので。私の中ではだんだん育っていって、あるところまでくるともう我慢ができなくなって、行動に出してしまうのですが、はたから見ると、なんの脈絡もなく突然ブームがやってくるように見えるらしいです。次は何かな、と母などは楽しみにしていたくらいです。

ある日テレビを見ていたら、ビートルズがアメリカにきた映像が流れてきて、それにビビビっときて、とかだったら、話になりますよね。そういうものを全然知らなくて、こんな時代があったのかと思った、みたいな感じですよね。感性が鈍いのかもしれません。過去の刺激が忘れた頃にスイッチになっているのかもしれないです。

だから、私の生きてきた道には、物語というものがないように感じるのです。いつも得体の知れないものに捕まえられてしまっているようです。それって、別になんの支障もないと言えばそうなのですが、なんだか説明しづらいなあということをいつも思います。説得力にも欠ける。

そんなことをもっときちんと分析してくれているものを読みたいなと思ったのです。でも、物語に人は惹かれるが、それによって引き起こされるマイナス面とは、みたいな話だったので、ちょっと方向性が違ったかも知れません。それでも、プラトンからトランプ(この本の中では「でかメガホン」って呼んでいる笑)まで、物語という視点で論じられているのは面白かったです。

ストーリーというものに対して、警戒心や猜疑心も持っているのは確かです。だから自分にもそれを当てはめたくないのかも知れません。なかなか面白いテーマです。

それでは今日は帰ります。明日はぐっと寒くなるみたいですね。暖かくして過ごしましょう。タートルネックで。それではおやすみなさい。また明日。