喫茶と読書 ひとつぶ

20221118

『人新生の資本論』読了しました。Rパワーズの本を読んでいたのですが、途中で「新潮」の連載とか小説を読んでしまって、登場人物が頭の中でごちゃごちゃになってしまったので、リセットしようと思ったのです。新書で売れているようだし、この間ラジオに出演していて、面白い人だったので。

最初の方はなかなか文章が頭に入らず、困ったなあと思っていました。環境問題を解決するには資本主義では難しい。いろいろ解決の方法を考えている人がいるけれど、その考えは全て結局は資本主義がベースにあるので、同じことになってしまう、という内容でした。現状についての認識の確認ということで、もちろん私が知らないこともたくさんあったし、書いてある内容にも納得しました。その上で、だからどうなのかが知りたいのよ、という性急な気持ちがありました。

その解決として、マルクスが出てくるところから、俄然面白くなりました。コテンラジオでマルクスの回を聞いていたのもよかったと思います。自分が知っている(そんなに知らないけど)マルクス、資本論、というものがまだ途中であったこと、出版されたものの先に、まだマルクスが探求していたことがあったというのです。まるで映画のような話ですね。

そこから、私たちが目指していくべきものを提示されていくのですが、これはとても興味深いものでした。でも、それはやっぱり紙の上に書かれたものなのかな、という感想を持ちました。それを実現していく工程のなかで、結局は平等というものは蔑ろにされていくし、政治の介入などがあって、今と同じことになるんじゃないか、という懸念です。

ただ、最後に著者の斉藤さんが書いているのですが、3.5%の人がアクションを起こせば、何かが起きる、ということがあるそうです。何かが起きて、そこから先はどうなるのかはわからないけれど、その3.5%になってみませんか、ということなのです。

私にはまだまだその覚悟はないけれど、今の社会に行き詰まりのようなものを感じているのは確かです。どんなことが起きるのか、アンテナを張って見ていきたいと思います。

それでは今日は帰ります!おやすみなさい。また明日。