喫茶と読書 ひとつぶ

20220711

『黄金虫変奏曲』読了です!読了って言っていいかわからないくらいハテナのところもたくさんあるんですけどね。ラフに読了です。最終章まであと少し、みたいなところから急激に普通の物語として面白くなっていくので、ものすごく充実した気分です。また、解説も愛があって、それを読むとまた冒頭から読み始めてしまうというスパイラル構造です。

リチャードパワーズ、これで3冊目ですが、一番面白かったかもしれません。これはゴルトベルク変奏曲のおかげとも言えます。パワーズと理解を共有している気はしませんが、ひとまず自分もその曲を知っているというところはポイントでした。そして、次にこの本を読むときは、その章に応じた変奏曲を聴きながらがいいのかもしれない、とも思いました。

遺伝に関する記述は、正直言ってよくわからないところも多くて、ネットで塩基のことなど調べてしまいました。そうしたら、調べていた表が後半に出てきて、なんとなく嬉しかったです。

ゴルトベルク変奏曲のこと、遺伝のこと、そういう要素を抜いたら、割とシンプルな話なのではないだろうか、と読み終えて思いました。でも、そうではないんですね。主人公はこの人、その恋人、その同僚、そしてこうやって三人は出会い・・・みたいな記述ではこの作品の世界は立ち上がってこないというわけです。ものすごい比喩と教養が積み重なっていかないことにはこの読後感はないんでしょうね。それにしても自分の読解力なさ、教養のなさが悔しい。

読み終えて、この本を読んでいたために(多分二週間くらい読んでいました)買っただけで読めなかった本、お借りしていたけどちゃんと読めていなかった本などをどさっと取り出して、パラパラとめくったり、じっくり読んだりしていました。解放感の中、まだまだ読みたいものがたくさんあるんだというのが、なんだかものすごく幸せに感じました。少し色々読み散らかして、またパワーズの本を読もうと思います。

さて、明日明後日はお休みです。木曜日にはまた、充実のラインナップで臨みます!つもりです!それでは今日は早めに帰りたいと思います。おやすみなさい。明日か明後日、どちらかは更新しますね。ではまた!今週もありがとうございました。