喫茶と読書 ひとつぶ

20220331

3月が終わりました。月の売り上げとしては最高でした。皆様ありがとうございました。要因はいろいろあるんだと思います。昨日は桜かな?と思ったのですが、今日はとても静かな1日で、やっぱり桜は関係ないのかもしれません。本当に読めません。

『行く、行った、行ってしまった』を読了しました。とても面白かったです。予想していたより、テンポの良い展開のある作品でした。退官した教授がアフリカの難民達と関わっていきます。そこに浮かび上がる、持てる者と持たざる者、働く者と働けない者、さまざまな対比があります。でも、お互いに一見異なる立場にいるけれど、いったいどこが違うんだろう。何が違うんだろう。自分たちを分断するのは何なのだろう。そんなテーマが繰り返されます。

この作品が書かれたのは、だいぶ前のようですが、今ウクライナへのロシアの侵攻という出来事が起こっている中で読むと、ものすごくリアリティがあります。文学には戦争を止める力はないのかもしれませんが、人が異なる立場の人のことを理解するのはとても難しい、常に分断が起こりうる、ということを考えさせる力があります。自分がそういう局面にあった時に、心の中に沈んでいる文学からの学びによって、より良い選択をする事ができるかもしれません。そういう力を信じられる気がしました。

この作品はアフリカの状況やドイツの東西の統合ということについての知識があると、もっと楽しめるかもしれません。最近トゥアレグの本が出ているようなので、読んでみようかと思います。

それでは今日はこれで帰ります。雨が結構降っていますね。寒いし。それではまた明日。明日から4月!新しい生活が始まる方もいらっしゃいますよね。楽しみましょう。おやすみなさい。