喫茶と読書 ひとつぶ

20211024

『星新一の思想』読了しました。この本の中でも触れられていますが、星新一についての評論の本というのはみたことがなくて、雑誌の記事などではあるんでしょうけれど、積極的に探したわけでもないので読んだことはありませんでした。先週たまたま本屋さんで手に取って、面白そうだから買ってみたのです。出版されたばかりのようです。

図書館で借りて星新一先生の伝記、最相葉月さんの本を読んだばかりだったのも良かったです。最相さんの解釈に対して、この本の著者浅羽さんは本当にそうだろうか?という問いかけを結構しています。文学の世界では認められなかったことを悲劇としてクローズアップした最相さんに対して、星先生はそういうことは全部わかっていて、あえて文学の世界に閉じこもることなく、どこからも自由な場所を確保したのではないだろうか、と浅羽さんは解釈します。どちらも正解で、あっちにこっちに混沌とするのが人間だと思うので、どちらがどうというわけではないですが、浅羽さんの解釈の方が面白いし、広がりがあるような気がします。

せっかくショートショートの全集もあることだし、作品も読みながらまたゆっくり自分なりに考えてみよう、と思いました。老荘思想と星新一、というのも浅羽さんが書いていて、これにはなるほど!と頷きました。何もかも相対化する、というところに共通性があるというもの。そういう距離の取り方みたいなものが魅力的なのかもしれません。

多分中学生か、小学校の高学年かで読み始めて、高校生くらいの時から読まなくなって、大学生になった時にはちょっと小馬鹿に(すみません!)していた星新一のことを、またこんなに考えるとは思わなかった。面白いものですね。

全然別の話ですが、昨日ぶつぶつ言っていたアップルタルト、今朝無事に1台焼くことができました!どうすればいいのか…と今朝起きた時も考えていたのですが、そうか、りんごの長さを短くすれば良いのだ!ということを思いつき、良さそうな長さに斜めに切って並べたら上手にできました。ご心配おかけしてすみません。先に思いつけば良かった。これも経験ですね。秋映はやはりとても香りが良くて、とても上品な味わいです。そして、小麦粉を変えたので、クラストがガッチリした感じになりました。これは好き好きですが、わたしは結構好きです。もう少し塩味があってもいいのかな、と思っています。無塩バターじゃなくてもいいのかな。

さて、それでは今日はこれで帰ります。明日はまた雨が降るのかしら。今日お客様が、雨が降って日が出て、それを繰り返しながらだんだん寒くなります、とおっしゃっていました。その通りですね。そうして冬になりますね。それではまた明日。おやすみなさい。