喫茶と読書 ひとつぶ

20211015

連日アップルタルト、お召し上がりいただき、ありがとうございます。去年も思ったのですが、アップルタルト、アップルパイ、根強い人気がありますね。他のスイーツはこれほどは伸びない気がします。チーズケーキなんかもやったことないけれど、こんな感じなんでしょうか。いつか手をつけたいと思いつつ、ピンときていなくて。

その分スコーンが動かなくなりました。それと前後して、スコーンがまた調子が悪いです。ベーキングパウダーなのかな…。この辺の一定しない感じ、本当に申し訳ありません。私もオーブンから出した時に、あの丸っこいのがみんなニコニコしているの見たいです。そう思って、毎日焼いているのですが、なんかペタってなっちゃってるんですよね。ううう。

さて、今日は久しぶりに本を読了。『食卓を変えた植物学者』という本です。19世紀後半に未知の果物や植物を求めて世界中を巡り歩いた人です。オレンジやアボカド、ぶどうやマンゴーなどは昔のアメリカにはありませんでした。現地で植物を採取して、それが乾いたり腐ったりしないように保護をしてアメリカに送ったのです。じゃがいもに突き刺したりしていたようです。

そうやって、様々な植物がアメリカに根付いていくわけですが、面白いのは、その果実などがアメリカの風土の中でうまく育ったとして、もう一つ大事なことがあるのです。それは、アメリカ人がその果物を生活の中で受け止めるかどうかということ。結局そこではじかれた物は、丈夫で育てやすい農作物だったとしても普及はしていかないのです。

面白かったのは、桜も、このフェアチャイルドという植物学者がワシントンに紹介した物だということです。日本を旅した時、フェアチャイルドは園芸において最も進んだ国だという印象を持ったようです。ビワ、ウド、渋柿、芝、ワサビ。そして後年、ワシントンDC郊外の街に住んだ時に、自分の庭に桜を植えました。それはたいそう評判になったようです。

読みながら、ふと、現地の植物やタネを送るのって、今ではできないよね、と思いました。今はタネも園芸や農業のためのものであれば、簡単に取ることはできないですよね。生態系を壊してしまう外来種、ということもあります。19世紀末から20世紀の初頭は、色々な交通手段によって、あたらしい世界で新しいものを発見する時代だったのです。

さて、アップルタルトも焼けました。そろそろ帰ります。それではまた明日。おやすみなさい。