喫茶と読書 ひとつぶ

20210911

7時過ぎに急に雨音のようなものが聞こえてきて、あれ?でも今日は雨降らないんじゃないの?と思っていたところ、しばらくして土砂降りの音に。窓を見たらすっかり雨に濡れていました。あらら。今日は気分良くバイクで来てしまったので、どうしようかと思っていました。今雨止んだみたいですね。午後10時。もう降らないでー。

今日は見事にスイートの日でした。普通に開店している時間にプリンとスコーンを補充しました。スコーンは今までも焼いたことがあったけれど、プリンは初めてです。たまたまカラメルが作ってあったのでできたのですが、焼く時間が長いので、ドキドキでした。そのあとでまた冷やす時間も長いので、考えものですけれど。でも、夜になってそのプリンをお出しすることができたので、よかったよかった。

スコーンの方は普段はフープロを使っていますが、それはできないので手で。久しぶりに作ったら、あまりうまくいかず、ちょっとワイルドな仕上がり。ザクっと感の強い感じでした。

どちらも流石に開店して2時間くらいで完売はないよね、ということで慌てて作ってみましたが、こんな日もやっぱりあるんですね。今日は食事よりおやつの日だった。生クリームは多めに泡立てていたし、ジャムも足りていたのでよかったです。これで明日はどうなるのか、予想つきませんね。難しい。

『人の居場所をつくる』西村佳哲さんの本を読了です。だいぶ前に買っていたけれど、図書館の本優先だったので、なかなか読めず、今回ワクチン副反応でお家に篭るように持っていきました。でも、家ではダウンしていたので1ページも読めず。仕込みをした木曜日にかなり集中して読みました。

いい本だった。というのが第一の感想。語られている内容ももちろん素晴らしいのですが、それをきちんと丁寧に拾って構成しているのがすごく伝わってくる。インタビューのところと同じくらい、附記、あとがきが良い。対象とがっつり向き合って理解して本を作っているんでしょうね。こういう本を生涯に1冊でも作れたら、幸せだと思う。それをこの方は、多分何冊も作っているので、すごい人だなあと思いました。

内容はランドスケープデザイナーの田瀬さんが取り組んでいる、遠野のクイーンズメドゥ・カントリーハウスの話が中心です。馬と人が一緒に生きていく、そんな取り組みです。山林の所有の問題、馬という正直言って、私などにはものすごく遠い生き物と生きること、流域という考え方など、興味深いトピックがたくさんある。馬に物を運んでもらったり、耕してもらったり、糞を堆肥に使ったり。昔は当たり前のことだったらしい。西日本では馬ではなく牛。それが高度成長の時代くらいから、すっかり姿を消してしまっている。小学生の頃、日本は小さな農家がたくさんいて、バラバラに畑や田んぼを持っているから、アメリカのような集約的な農業に勝てないのだと、教えられた。それから何十年も経っているのに、多分、その状態は改善されていないし、むしろバラバラに所有していた田畑は、放置されていたりすることも多いのではないだろうか。そういう国に、景観なんてあるはずがない。人が自然と向き合って、生活して段々とできてくる物なのだと思う。ポツンポツンと、そんな景観が生まれてくるといいのに。

明日の仕込み、悩むところです。これから少し本を読んで今日は帰ります。それではおやすみなさい。また明日。