喫茶と読書 ひとつぶ

20210816

今週も皆さまどうもありがとうございました。毎日お礼を書くのもどうかなと思ったので、最近書いていませんでしたが、心の中ではずっとお礼を申し上げていました。ありがとうございます。今週はカレーの日替りのご提供、というはじめての試みをさせていただき、学ぶことがたくさんありました。お盆の期間ということで、少し身構えていましたが、天候のせいもあったのか、静かに毎日がすぎていく感じでした。そしてこの涼しさ。夏の終わり〜、ということかなと思ったら、木曜日くらいからまた暑くなるそうですね。残暑です。怖いです。

今日は午前中少し時間があったので、入り口すぐの席で読書三昧でした。あともう少しで読み終わる、という本を、落ち着いた雰囲気の中で集中して読了しました。

『まとまらない言葉を生きる』という本です。実はこの本、図書館で借りたのですが、あまりに内容が素晴らしいので三話くらいまで読んだところで読むのをやめて購入しました。Twitterで話題になっていて、言葉を取り扱う仕事をしている人にはぜひ読んでほしい、というツイートが心の中にありました。そのツイートに、本を売るということは言葉を取り扱う仕事なので、本屋さんにはぜひ読んでほしいとあり、ひとつぶは本屋ではないけれど、本を置いているから必読なのかな、くらいに思っていました。

著者の荒井裕樹さんは障害者文化論がご専門の方です。前書きにまず心を打たれました。「『言葉が壊れてきた』と思う。」という一文から始まります。ホームレスを差別するYouTubeの件が、記憶に新しいところですが、SNSに流れる乱暴な言葉たち。政治家たちが垂れ流す空疎な言葉。本来言葉は、魂を救ったり、心に寄り添ったりしてくれるものであるはずです。著者はそんな言葉の本来の在り方を、実例を挙げて紹介することで浮かび上がらせようと試みています。一つ一つのエピソードは、優しくて心強くてひたむき。だけど、自分の中にある差別主義、自己欺瞞みたいなものがちくっとする。どすんと重い、でも爽やかな本です。

毎日ブログを書いて、駄文を垂れ流している自分が、こんな本を素晴らしいというのもおこがましいのかもしれない。恥ずかしいのだが、やっぱりとても良い本なので、ここに書きたかったのです。

さて、明日は定休日です。そして明後日も。前回の連休はなんだかうまく時間を使えなかったので、今月こそは、と思いながら、まだ予定がたっていません。水曜日はお天気良さそうなんですよね。まあ、いつも思っているより何もできないんですよね。そんなものでしょう。そして、ブログはどちらか1日は書こうと思います。それではまた。おやすみなさい。