喫茶と読書 ひとつぶ

20201223

ついに12月最終週です。今日はちょっと暖ったし、仕込みも掃除もちゃんとできていい気持ち。

『わかりやすさの罪』読了。面白かった。面白かったけど、こういう本の内容に、自分はすごく賛同するのです。が、同時にちょっと不安にもなってしまう。自分でいうのもなんですが、人生の途中までものすごく順調に進んできました。学校というシステムと相性がよかったんだと思う。それはとても便利なことだった。でも、システムに沿うように自分を変形させていたっていうことはあったんじゃないかと思う。私の場合、それに対してあまり苦痛はなかったし、学校という型の中に綺麗に収まることで居心地もよかった。そういう自分は人から見えないようにうまく隠していた。自然に普通にしてるだけだよーみたいな感じに。いい子でいるわけではなくて、自由気ままにしているだけ、みたいな。そういう自分というのは、こういう本の批判の対象になるような人間像なんではないか、と不安になるのだ。

映画のキャンペーンで「4回泣けます」というコピーがある。私は無批判にそれを受け止めていたのではないか。涙活という言葉は初めて知ったけど、「涙を流すと気持ちが綺麗になった気がするよね」というようなことは昔から散々言っていたような気がする。池上彰さんの選挙速報を見て、すっとしたりしていた。わかりやすいことの持つ危険を感じていなかったし、むしろラベルを貼ること、うまいラベルの貼り方をする人のことを面白いと思っているのではないか。

つくづく面倒な人間だと思う。自分は体制側の振る舞いをしているのに、それに反旗を翻す言説に憧れるし、正しいと思う。そんな心がなかったら楽だったのになあと思ったりもする。

本日ご来店いただいた皆様ありがとうございました。メッセージをいただいた方も、ありがとうございます。今日はカレーをたくさんご注文いただきました。今日からクリスマスなので、カレーに添えるグリル野菜を白一色にしました。漬物の代わりにおかひじきで緑も。カレーは赤で、クリスマスカラーというわけです!それでは明日もよろしくお願いします。おやすみなさい。