20201219

トカルチュク『プラヴィエクとその時代』読了しました。今回は人名とかわからなくならないようにノートを取りながら読みました。ちゃんとした地図にしたかったのですが、そこまでは読み解けず、人名地名があちこちに散りばめられたページになりました。

物語は第一次大戦が始まる1914年から。ポーランドの国境にあるプラヴィエクという村が舞台です。『昼の家、夜の家』と同じく、短いエピソードが積み重なり、50年ほどの時間が流れていきます。誰が主人公というわけでもなく、様々な人が登場し、生まれ、死んでいきます。ソヴィエトとドイツの前線になったりします。

女性と男性というテーマや社会主義国家の理不尽さなども少し見えて、この村で起きていることに現実感がありました。中でもキノコのところと、犬のところがすごく面白かった。キノコのところはとても綺麗で、犬の方は犬のものの見え方みたいなものが、すごく納得できた。

何日かかけてゆっくり読んだのですが、途中、異次元に迷い込んだみたいな感じの気持ちになった時がありました。夜、ひとつぶの静かな中で、いつの間にか現実からプラヴィエクの村に漂ってしまったみたいなんです。不思議な感覚でした。

本日もご来店いただいた皆様、ありがとうございました。明日も良い1日になりますように。それではお休みなさい。