喫茶と読書 ひとつぶ

20201128

風の強い日。欅の枝が揺れる音。ガラスの隙間を冷たい空気がすり抜けていきました。

『コーヒーの歴史』読了。知らないことがたくさんあって、面白かったです。ただ、コーヒーの歴史ではありますが、どちらかというと、コーヒーの消費の方の歴史で、栽培サイドの話が少なかった気がします。奴隷制度とコーヒーの関係など、もう少しページを咲いて欲しかったです。イスラムから西ヨーロッパ、アメリカと消費の舞台が変わっていき、同時にプランテーションも消費国に隷属している国に移り変わっていきました。その中で大量の奴隷たちが命を落としたり、無理な開発などがあったのです。その辺も軽くは触れられているのですが、もう少し詳しく知りたかった。また、その中から独立していく国もあるのですが、そういうときにコーヒー栽培はどう変わったのか、また、現在、各国はどのような政策の元、コーヒー栽培と関わっているかということなど。

コーヒー豆は、栽培して輸出している国にとっては、おそらく大変大事な農産物だと思います。私たちが美味しくいただいているコーヒーは、ここまでくるのに、たくさんの人の手、国を経てきています。どのようにして、どんな人たちがこのコーヒーを作ってくれているのか。雨の日の珈琲さんに時々お話を伺うのですが、それがいつもとても面白いのです。そのお話を伺うときの、背景となる知識を蓄えたかったのです。

これはコーヒーの話ですが、チョコレートも小麦粉も砂糖も牛乳も野菜も、全てひとつぶに来るまでに長いストーリーがあります。それが曇りのないものであってほしいし、あるようにしたいなというのは常に思っています。思っているだけで、まだまだ実現できていないのですが。そういうことも、勉強していきたいなと思いました。

本日もご来店いただいたお客様、どうもありがとうございました。新しいお客様も来ていただき、嬉しかったです。また明日もよろしくお願いします。それではまた明日!おやすみなさい。