喫茶と読書 ひとつぶ

20200716

『直しながら住む家』読了。とても面白かった。自分の住む家に、とことんこだわるって本当に素晴らしい。ライフスタイル、好きなこと、好きなもの、それは家を変化させるし、家によって自分が変わることもある。家が人に影響を及ぼすというのは、とても面白い考え方。はっとさせられる。

前半の1階のリノベーションは10年くらい前のことのようですが、とても素敵なリビングダイニング、そして縁側。実はひとつぶのことを考え始めたときに、最初に物件で目に飛び込んで来たのは一軒家だった。広い縁側のある家を貸しに出していて、飲食可だったのだ。かなり大きな家で、8畳と6畳の続きの和室と、他に2部屋くらいあって、2階もあった。私のプランでは、和室はテーブルやソファを持ち込んで、一部は下に座るような感じにして、押入れにも隠れ部屋みたいなものを作り、縁側にはゆったりできるソファを3脚くらい点々と置いて、狭いけれど庭が見られるようにする、というもの。今考えると、なかなか実現するには厳しかったのではと思うけれど、縁側にソファというイメージはとても気に入っている。あの家は結局今どうなっているのかな。

この本の小川さんのお宅の広縁は、それ自体もとても素敵ですが、何と言っても建具が木製なのが素晴らしい。とても綺麗。大切にされているということですが、なかなか大変なことだと思う。でも、本当に素敵な縁側。

そして2階のリノベーションですが、ここでつみきさんが登場。ひとつぶでもビシバシDIY指導していただいたので、なんだか懐かしい気持ちになりました。と言っても、小川さんの作業の方が、数多いし、難しいこともやられているのだと思います。それを楽しんで作業している様子が文章から伝わってきます。つみきさんの河野ご夫妻やスタッフの皆さんのきめ細やかな対応も想像できるだけに、とてもいい現場だったのだなあと思います。家事室すごくいい。

小川さんのお宅は、とても素晴らしいし、インテリアのセレクトも抜群にすてきです。一番おもしろかったのは、納戸を図書館に変えるリノベーションのところでした。「子どもに戻れる図書室」というアイデアが秀逸。本棚を作る作業は私もやりましたが、1日でやってしまったのはすごい!そして、出来上がった部屋が、昔の自分の仕事部屋にそっくりだったというエピソードがとてもよかった。人って、好きなものはやっぱり変わらないんですよね。私も今回、家にあるものをひとつぶに持って来て、なんか人間って、あれこれ寄り道してるけど、根っこのところは変わらないんだなということをとても思ったのです。

それを言うなら、ひとつぶをやろうと思って、その中心に本を持ってきたというのが、全くそれなのです。小さいときから活字が好きで、親戚のうちでも部屋の隅にあった雑誌を読んでいたり、大学時代についたあだ名が「本」と言われたり。家族ができたり、仕事が忙しくなったりで、「本」から少し距離ができていたのに、少し時間ができたらやっぱりそこに帰ってきてしまった。今、いるべきところにいるのだなあとつくづく思います。

ひとつぶのおかげでつみきさんにもお会いできた。つみきさんと知り合えて、小川さんの本にも出会えた。いいことがたくさんあります。さて、明日はどんな日になるのでしょう。どんな本に出会えるのでしょう!