喫茶と読書 ひとつぶ

20230616

さっき地震ありましたね。ちょうどパイナップルケーキを焼き出したところだったので、電気止まるなよ、と思いながらドキドキしていました。割と長いこと揺れましたよね。このところ地震が多いですね。ハワイ島でも噴火があったりと、地球が不安定になっているのかもしれません。

なるようにしかならないさーと思ったりはしていますが、とにかく営業時間でなければいいなあと、それは祈る気持ちです。フロアの本棚は全て床や天井にがっちりついているので、心配ないですが、椅子やテーブル、そして本は動きます。本当にすごい地震だったら、テレビなんかも飛んでくる、ということですもんね。想像すると怖いです。

いつそういうことが起こるともわからない、でもいつかきっと起きる、とずっと言われ続けていますよね。それでもいつもはそんなことを忘れていられるのも不思議な感じがします。それを言ったら、交通事故の確率の方が高い、というようなことを言う人もいて、確かに、と思ってしまいます。

さて、今日は1日を通して静かでした。途中、アイドルタイムと言われる時間にはお客様がいらっしゃらなくて、ガンガンと読書しました。この間からずっと読んでいた本と文庫本を1冊読みあげました。ずっと読んでいた方は小説で、『不快な夕闇』と言う本です。これが本当に不快な小説で、何回もう読むのをやめよう、と思ったことか。常に「死」の匂いが漂い、動物のような性への衝動があり、強権的な父性がある。何一つ救いを見出せない物語でした。でも、途中からこれを書き続ける、続けられることって、すごいことだな、と思い始めました。そしてヨーロッパの田舎の闇のようなものを覗いた気がしました。日本の田舎も闇だった(今もそうかもしれない)と思いますが、同じなんですね。閉塞。

『不快な夕闇』が衝撃的に暗かったので、次は元気な養老先生と山極先生の『虫とゴリラ』と言う対談を読みました。こちらは現状に関する辛口の批判はあるものの、自分たちの好きなものを語る熱い語り口に癒されました。中に中動態という言葉がパッと出てきて、最近興味があるワードなので、ハッとしました。

最近思うのは、私はやっぱり小説が好きなんだなということです。なんだかんだ言って、その世界にどっぷり入って楽しむ、という読書体験が一番好き。エッセイや対談や分析的なものも面白いのですが、小説とのバランスをとるためのものだったりする時もあります。最近は特にそういうふうに意識をし始めました。

というわけで、今日はこれで帰ります。ケーキもそろそろ粗熱が取れたと思います。明日は土曜日かー。暑いみたいですね。熱中症に気をつけましょう。それではまた明日!おやすみなさい。