喫茶と読書 ひとつぶ

20210415

4月折り返しです。早い。

今日は『「利他」とは何か』を読みました。面白くてあっという間に読んでしまいました。伊藤亜紗、中島岳志、若松英輔、國分功一郎、磯崎憲一郎の共著です。新書。

「利他」「ケア」「贈与」と、気になるワードがたくさん。デヴィッド・グレーバーも引かれています。そもそもなぜ「利他」なんでしょう。はじめに、のところで、パンデミックを乗り越えるためのキーワードとして、「利他主義」が挙げられていると語られています。「他者の為に生きる」という人間の本質にたちかえらなければいけない、と。

私自身といえば、「他者の為に生きる」というようなことはなんだか偽善的な気がして、あまり好きではありません。本書でも繰り返し出てきますが、「利他」は、押しつけになったり、実は利己的な目的だったり、相手にとって負い目になったり、ということがつきまといます。それなしに実現するのであれば、とても良いことだと思っています。それはどういうものなのか、どうしたら実現するのか、ヒントがあちこちに書かれています。

その他に、面白かったのが、ヒンディー語の「与格」というもの。「私はあなたを愛している」というのが、「私にあなたへの愛がやってきてとどまっている」という言い方をします。意志というものが常に存在しているわけではない、ということです。そんなことは考えもしなかった。近代的な自己という概念に囚われているからですね。

すごく刺激的な本でした。若松さんと國分さんのところが、多分よく理解できていませんが。

この本はこの間青山ブックセンターで、デヴィッドグレーバーのコーナーがあって、そこで見つけました。ありがたい。本屋の平台や棚の良いところはこういうところですね。

さて、そろそろ眠くなってきました。本日ご来店いただいた皆様、ありがとうございました。昨日とても静かな1日だったので、今日もそうかなあと思って少しぼんやりしていました。二日連続で静かな1日でなくて、良かった。元気が出ました。明日は金曜日。そして、週末土日は臨時休業します。SNSでも告知しますが、月曜日は営業はするのですが、パンがないので、トースト2種とポトフはおやすみします。そのほかのメニューは大丈夫です。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。それではおやすみなさい。また明日。