20250512
今週は四日しか開けていないのに、なんだか疲れました。寒暖の差が激しかったりしたせいかもしれないです。皆さんも体、いたわってあげてくださいね。
さて、アルバニアの作家イスマイル・カダレのことはこの間書きましたが、その流れで、今週は『FREE』という本を読んでいました。今日読了。これは「気鋭のロンドン・スクール・オブ・エコノミクス政治理論教授がアルバニアの少女時代を綴る」という本です。イスマイル・カダレの本を読んで、アルバニアってどこにある?ということを調べていて、この本に出会いました。元々書店で売っていたり、Xで見かけたりしてはいたのですが、買うまでには至らなかった本でした。ですが、アルバニア繋がりで俄然興味が湧き、読んだというわけです。2月に出版されていて、その当時は流山の紀伊國屋でも良く見かけたのですが、なんと、欲しい時にはない。データ上は1冊あるみたいだったのですが、その棚にはなくて、新宿の紀伊國屋で買いました。
衝撃的な本でした。先ほどのこの本の紹介は、帯に小さな文字で書かれているものですが、「少女時代を綴る」の、少女時代は、とてつもない激動の時代だったのです。著書のレア・イピは1979年にアルバニアで生まれます。当時のアルバニアは社会主義国でした。ソ連や中国などの他の社会主義国とも、ましては自由主義国家とも歩みを同じくせず、鎖国状態で独自の政治体制を敷いていました。しかし、1990年にアルバニアは複数政党制の国に移行します。その時に初めて自分の家族の過去などがあらわになります。そして、その後1997年に、アルバニアは内戦へ突入します。彼女は高校の最終学年でした。社会主義国家、そして資本主義の世界へ。そのどちらでも人を縛る鎖があります。それでも自由であることとはどういうことなのか、何が求められるのか。
恥ずかしながら、ついこの間まで私はアルバニアという国を知りませんでした。私がお気楽な学生時代を送っている時に、コカコーラの缶を、家に飾るために購入するというような国がヨーロッパにあるとは、想像もしていなかった。そんな国に生まれ、育っていく少女や家族の姿を、理性的に描いている作品です。最近読んだ本の中で、突出して面白く、考えさせられました。この作品の中で、特に印象的だった祖母のニニの物語が、今年発表されるそうです。そちらも和訳を読みたいです。これを読んでいる今日、お客様でアルバニアに旅行した方がいらっしゃいました!これも驚きでした。(『FREE』/レア・イピ/勁草書房/2024年2月)
さて、それでは帰ります。あ、木曜日からは、カレーはポークビンダルー、スープはまだ未定です。ポタージュ系かなあと思っています。おやつは引き続きビクトリアケーキとプリン、スコーンです。ビクトリアケーキは、写真のようにご提供することにしました!これだと、少し食べやすい気がします。それではまた木曜日に。おやすみなさい。