喫茶と読書 ひとつぶ

20240418

すみません!ケーキ、出せませんでした。オレンジタルトを作ったんですけどね。昨日作って、一晩おいた方がいいということだったので、今朝食べてみました。うーん。微妙でした。オレンジもタルトも固くて、全体に甘くて、全くダメではないけれど、自信を持ってお出しすることができないなあと思いました。ギリギリまで迷いました。でもやっぱりやめました。すみません!タルト台の生地を変えてみますので、明日また焼いてみます。

こんな未来が待っているとも知らず、昨日は夕方からイベントに行ってきました。本屋B&Bで、山本理顕×小熊英二×布野修司「コミュニティ権 新しい希望 ー地域社会圏という考え方」というものです。オンラインもあったのですが、家だとだらだらっとしてしまってダメだと思い、会場に行きました。結果的に、行ってよかったと思います。

山本理顕さんは、先日建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞されました。この「ノーベル賞」という言い方はあんまりよくないみたいですが、権威ある賞ということですね。私も書店で山本さんの著書を見かけて、読みたい、面白そう、と思っていたところでした。また、『革命と住宅』という本を読んだ後で、著者の本田晃子さんが文章を『都市美』という雑誌に書かれていて、去年の秋にすぐさま買っていたのですが、これが山本理顕さんの責任編集の雑誌だったのです。小熊英二さんいついては、お客様からお名前を伺ったことがあって、残念ながら著作は読んだことがないのですが、このお二人でどんな話になるのか、というのが面白そうだったので、行ってまいりました。

まず山本さんの、住民と権力の間にあるのがコミュニティだけど、コミュニティには権利がない、というお話から始まりました。大熊さんがそれを受けて、コミュニティという言葉は、日本では独特な使われ方をしている、とご指摘になり、ヨーロッパの自治体が日本の県とは少し違う、というお話をされました。また、都市と農村の違い、ギルドのお話なども山本さんたお話になりました。そして、日本で理想的なコミュニティ、自治の単位を作るとしたら、ということになり、大熊さんは小学校の学区単位、山本さんは500人くらいの規模、ということでした。ただ、大熊さんが地域差がものすごいことになる、ということも言っておられて、山本さんはそれに対してまだまだやりようがあるよ、というようなご様子でした。

伺っていて、自治、ということが日本ではあまりされていないのでは、と思いましたし、スイスなどではそういう意識がとてもあるようで、日本の親方日の丸体質、みたいなものはまだまだ抜けていないのだなあと思いました。そのいい例として山本さんが挙げていたのが、たとえば建築士の資格は、日本では国家資格だけど、スイス(だったかな?)では建築士協会、みたいなところが出している資格なのだそうです。どっちがいいと思う?と会場に聞いていましたが、国家が保障してくれる方が安心だと思うだろうけど、それでは国がやっていることに反対ができないんです、ということでした。確かにそう。そういうところから、自治の第一歩があるんだなあと思いました。

アーカイブも見られるとのことなので、期限になる前に見ておこうかなと思います。大熊先生を拝見したことがなかったのですが、あんなにスラリとされているんですね。帰ってから著作を調べてみたら、ものすごくたくさんあって驚きました。今度何か読んでみようと思います。

さて、それでは明日オレンジタルト頑張るのでもう帰ります。また明日もよろしくお願いします。おやすみなさい。