20240307
こんばんは。このところ、夕方が比較的忙しいです。この間までは夕方はアイドルタイム、という感じだったので、あわあわしています。ひとつぶは何時でも忙しくなる可能性のあるお店なんですよね。あわあわするなー。
さて、このお休みは、特に遠出をすることもなく、いろんなことを淡々とこなしていました。火曜日に結構あちこち用事を済ましたので、水曜日に仕込みを終えて、家に午後の遅めの時間に帰ったのですが、ものすごく眠くなってお昼寝をしてしまいました。起きたらもう夕方で、ご飯を食べながらしばらくちゃんとつけていなかった帳簿つけとかをやっていたら、もう夜でした。あっという間にお休みの日は終わりますね。
火曜日だったと思うのですが、経産省が書店の振興に専門的に取り組むプロジェクトチームを設置したという発表がありました。最初に読んだ時には、よかった、と思いましたが、それに対するさまざまな反応をXで見ていると、無条件に喜ぶことでもないのだなということがわかってきました。このプロジェクトチームの内容がはっきりわからないので、拾ってきた言葉を読んだ感想になりますが、カフェの併設とか、イベント集客という各書店の工夫に着目しているようです。これについては、本を売るだけで商売が成り立つ、というのが本筋では、という意見を多く見ました。確かに、カフェとかイベントとか、本を売るだけではやっていけないので、やっているというお店も多いかもしれません。そして、どこでもこのようなことができるわけではないでしょう。
どうして既存の書店が街から消えて行ったのか、まずはその理由からきちんと探っていくべきなのでしょう。原因がわからなかったら、対処する方法も的外れになってしまう恐れがあります。せっかくの税金を投入してのプロジェクトになるわけですから、困っている本屋さんのためになるようにお金を使って欲しいです。
さて、それではなぜ書店は少なくなっているのでしょうか。一つは本、あるいは雑誌というものをみんなが読まなくなった、買わなくなったということでしょう。これには携帯電話の登場が大きかったのでしょうね。電車に乗ると、本を読んでいる人はほとんどいませんが、30年くらい前?iPhoneが登場する前は、漫画や文庫本、新聞などを読んでいる人が多かったのです。漫画やスポーツ新聞など、読み終わったら網棚に置いて電車を降りて、次に乗ってきた人がそれを読む、なんていうこともありました。そして、私もとてもお金がない時代がありましたが、その時に、本は高い、と思ったことがあります。音楽はサブスクが出てきたし、洋服はどんどん安くなっていった。でも、本はどんどん高くなっていった。新刊の単行本なんか、とてもじゃないけど買えませんでした。そうすると、携帯でSNSやブログの文字を読むことで「読む」という行為を代替してしまうんですよね。
そしてもう一つは、本の流通というのが特殊であり、かなり無理があることだと思います。これについては私も素人でそんなに知らないのであまり何も言えません。私は書店に皺寄せがいっているのだと思っていましたが、今回読んだものの一つに、取次もかなり負担が重くなっている、ということを書いたものがありました。もともとジャンプなどの漫画雑誌が売れている頃のビジネスモデルだと思うので、今や完全に古くなってしまったのかもしれません。
私は本屋さんが大好きで、週に一度はどこかに行かないと落ち着きません。だから書店が生き抜いていけるような政策などがあれば、それはぜひ実行してもらいたいと思います。でも、よく考えてみると、モノを売るお店、というのが昔より種類が少なくなっているのではないでしょうか。金物屋さんとか電器屋さんとか、昔はそういうお店がもっとあったのではないでしょうか。洋品店とか、スポーツ用品店とか。もう今やそれらは、個人店でやっていけるモノではなくなっていますよね。きっと本も同じなのだと思います。ただ、本屋に関しては「文化」を担うという一面もあって、そこが特殊な事情なのかもしれません。
私の浅い知識で何か言えるようなことでもないですが、書店が街にあるということが、どんな意味を持つのか、逆にないということはどんなことなのか。子供にとっては、大人にとっては、老人にとっては、どんなことなのか。どういう風景が理想なのか。そんなことを少し考えてみようと思います。それで思い出すのは、私が大学生の頃のあの状態が、私にとってはベストだったなあということです。ぱろうるでバイトして、大盛堂、パルコブックセンター、リブロを回って、阿佐ヶ谷に帰ってくると、書楽や書原に立ち寄って家に帰りました。こだわりの本屋、大型本屋、アート系の本屋、街の本屋と1日に何軒もスタイルの違う本屋に行くことができました。今でも、地元にはBread&Rosesさんとsmokebooksさんがあるし、休みの日には流山の紀伊國屋に行ける。たまには足を伸ばして都内の本屋にも行ける。これは恵まれているのかもしれません。
さて、それでは帰ります。明日の朝は雪なのかなあ。もしかしたら、仕込みが間に合わなくなるということもあるかもしれません。何かあったらSNSでお知らせしますね。それではまた明日。おやすみなさい。