喫茶と読書 ひとつぶ

20240129

こんばんは!今週もありがとうございました。寒かったりそうでもなかったり、なんとなく一定しないふわふわした1週間でしたね。レモンメレンゲパイ、たくさんの方に召し上がっていただいて良かったです。またやります!

今日は静かな1日でしたので、がっつり本を読みました。グレーバーの『アナーキズム人類学のための断章』を再読。これは、感想を書こうと思って付箋を辿って行ったら、結局再読してしまったというオチです。さすがに二度目だったので、だいぶ理解は進んだ気がします。が、わからないところはわからなかった。これについてはまとめます。

そしてこれも読みかけだった『ロゴスと巻貝』という本を読了しました。正直に言いますと、この本についてはまず装丁。あまりにも綺麗だったので、どうしても欲しくなったのです。もちろん内容もぱらぱらっとみて良かったから、なおさらでした。読了後の感想は、この本読んで良かったーです。これは小津夜景さんという俳人の、本の話題を中心としたエッセイです。扱われている本はかなり多岐にわたっていて、夏目漱石もあればエリック・サティ、楳図かずお、レオ・レオーニ、パスカル、エトセトラエトセトラ。すごい読書量です。そして、びっくりしたのは、この方はフランスにいらっしゃるのですが、渡仏した最初の10年ほどは、新しい日本の本を読めずに、詩歌を中心に記憶にあるものを暗誦されていたそうです!

小津さんの文章はとても不思議で、まるで寄せては返す波のようでした。最初に書かれていた話題が、何かの本の一節を挟まれて、全然別のところに運ばれてしまう。それでも違和感なく、小津さんのナイーブで自由な感性を感じることができる。その波に揺られてあっという間に最後のページに辿り着きました。中でも、「料理は発明である」の中のマリネの描写が、何度読んでも気持ちが良くて、素晴らしいと思います。ちょっと引用しちゃおう。

・・・虎の乳と称されるふわふわのマリネ液をスプーンですくって口にはこぶと、芳醇な花がふわんとひらき、数秒後にはしゅんとしぼむ。・・・

美しい表現ですよね。「虎の乳」というのは、ペルーのセビーチェというマリネに使う魚介類などの出し汁だそうです。おいしそう。「ふわん」というのがいいですね。こんな表現がたくさんあって、本当に豊かな気持ちになる本でした。中には建築や数学についてのエッセイもあって、とても広い世界をお持ちの方だと思いました。あとで分かったのですが、まだ未読の『カモメの日の読書 漢詩と暮らす』という本も、小津さんの著書でした!これも読まねば。クラゲとかシルクハットを被る数学者とか、印象的な話がたくさんです。(『ロゴスと巻貝』小津夜景・2023年・アノニマスタジオ)

さて、それでは今日はこのへんで。明日と明後日はブログはお休みします。次の木曜日からのメニューはカレーはチキンカレー、ポトフは豚肉、おやつはガトーショコラとプリン、スコーンです。あ、木曜日はもう2月ですね。早いなー。ちょうどバレンタインまでがガトーショコラですね。何か変更があればお知らせします。それではまた木曜日に。おやすみなさい。