喫茶と読書 ひとつぶ

20230208

私の休日が終わっていくー、という時間ですね。今週はやることはやった、という感じです。確定申告は終了しました。私はfreeeを使っているのですが、あれ?という感じで提出が終わりました。あっけない。実感もなくて、怖いけど、提出できているようなので大丈夫でしょう。車検も先週やったし、この年始にやることはこれで終わったかな。来週からは遊びに行ける!

というわけで、1月に読んだ本の続きです。これ3回シリーズになるかなと思っています。その2回目。

まず『私の生活改善運動』。話題になった本で、ひとつぶでもこの本を手に取るお客様は多いです。

この本を読んだ前後に、中之条ビエンナーレや西島雄志さんのことをたまたま知人から聞いていたので、その符合にびっくりしました。松本の栞日さんも出てくるし、なんと最後には岩手の鹿踊りまで。だからどうしたということもないけれど、ものすごく親近感を覚えました。

でも、そこはやっぱりグレードが違って、本棚やコートを作ってしまう実行力にはびっくり。そこで私はベッドをシングルからセミダブルに変えました。家で一番時間を過ごしているのがベッドで、それに対してとても不満があったから。ひとつぶをやるようになってから、自分の家に対してケアできていなかったけれど、ここも自分の場所として、また少しづつ整えていこうと思っています。

次に読んだのが『ニュー・ダイエット』。ダイエットといっても、食事の制限のダイエットではありません。ダイエットというのは「日常の飲食物全般とその摂り方」というのが本来の意味だそう。そこにニューとつけて、変わりつつある食の世界が語られています。話題はかなり広くて、最後はブルシットジョブも登場してくる。意外と硬派な本でした。そして、ヴィーガンレストランをやっている著者の未来に対する前向きな姿勢に元気をもらいました。良書でした。

食べ物の本の続きで『飼い喰い』。内澤旬子さんの本です。凄まじい記録です。内澤旬子さんの山羊の本、『カヨと私』もすごかったが、こちらは最終目的が屠って食べる、そのために3匹の豚を飼うのだから、それは壮絶になります。それに加えて、これを行うための内澤さんの覚悟がすごい。居抜きの居酒屋を住居として、劣悪な環境で暮らす。豚のために慣れない運転をする。ものすごい執念。知りたいと思う心に素直に、正直に向き合っている。豚を飼い、愛情を感じ始めて、それでも殺して食べる。その最後まで自分の心をまっすぐに見つめて偽らないで描く。それがこちらにも伝わって、真剣に内澤さんに向かうことになる。私も読みながら、3匹の豚たちを可愛いと思ってしまう。だから残念であるけれども、きちんと豚たちが食べられることはとても正当なことで、それが遂行されたことが尊い。

今日はこれが最後の本です。『蛇を踏む』。川上弘美さんの芥川賞受賞作です。ここまで小説でないものが続いたせいもあって、小説って面白いなあと私のノートには書いてあります。フェミニンな内田百閒。これは文庫本の解説で松浦寿輝が書いている。言い得て妙である。幻想的な設定、奇想天外な流れは小説の楽しさを私に教える。そしてなぜフェミニンなのか。それは何も解決せず、曖昧なままドロリとした何かに包まれてとろけていくような感覚のためだろうか。楽しい。気持ち悪い。

こうやって感想を書いていると、自己嫌悪にも陥りますが、今年はちゃんとこのくらいの分量のものは書いていこうと思っています。本当はもっときちんとしたものが書けるといいのだけど、そして、自分が感じた面白さをうまく伝えられるといいのだけど。

さて、明日からはカレーはキーマ、そのほかは月曜日までと同じです。ガトーショコラは次の月曜までです。ではまた明日からよろしくお願いします。おやすみなさい!