喫茶と読書 ひとつぶ

20221216

閉店後に仕込みをするときは大抵TVerでドラマを見ています。最近昔のドラマがたくさんリストに上がっていて、『大豆田とわこと三人の元夫』を見ています。放映当時も見ていたのですが面白かったけど、台詞回しとかがちょっと鼻についたりしていました。仕込みをしながら今見ていると、2度目というところもあって、普通に面白いです。

オダジョーがとわこと話すシーンがあります。とわこが大切な人を亡くして、「まだやりたいことがたくさんあっただろうに、悔しかっただろうなあ」と言います。オダジョー(小鳥遊さん)が答えるのですが、それがとてもすごい答えなのです。昨日見たばっかりなのに、そのものは覚えていませんが、時間というものは矢印のついた直線ではない、という内容のことを話します。5歳の時の彼女、10歳の時の彼女、それぞれが今を生きているのだから、やり残したことなんてない、ということなのです。

これって、当時は気が付かなかったけど、数学的な、物理的な時間の考え方なんですよね。多分。私たちは通常、時間というものは過去から未来へ流れるものと認識しているけれど、それは必ずしも正しくない、ということなんです。きちんとわかっていないので説明できません。すみません。でも、多分そういう考え方を、坂元さんの言葉でオダジョーに語らせているんだろうなあと思いました。

こういうことができるのって、やっぱりすごい。今パワーズを読んでいるけれど、この人もそういうことをやる。しかもものすごくたくさん。科学的、哲学的なものの見方を、小説やドラマに盛り込んでいく。そうやって、新しいものの見方を刷り込んでくれているんですね。

単に私がものを知らなくて、しかも2年前に放映した時には、面白いこと言ってるな、くらいにしか思っていなくて、やっと今気がついたということなんですけどね。時間の考え方なんて、20世紀の初めくらいにはもうあって、理系の方なんかは既に知っていただろうから、新しいことでもなんでもないかもしれないんですが。1世紀くらい遅れてなんとなく体に入ってきた私でした。

それでは今日は帰ります。明日も良い1日でありますように。それではおやすみなさい。また明日。