喫茶と読書 ひとつぶ

20221209

こんばんは!もうすぐ8時になろうとしています。今日は久しぶりにお客様が少ない一日。今も店内はお客様がいらっしゃらなくて、このままあと15分で閉店になりそうです。たまには・・・たまにはね。そして明日の早朝4時にアルゼンチン戦があるので、今日はあっという間に帰って、すぐ寝て、朝起きようかなと思っています。調べたら、決勝までアルゼンチンは4時の試合ばかり。今大会まだ一度もメッシを見ていないので、今日は見ようかなと思っています。

『優しい地獄』イリナ・グリゴレ、読了です。これは面白かったです。最初翻訳ものだと思っていたら、なんと著者が日本語で書いていました。イリナさんはルーマニア生まれで、2006年、2009年に日本に留学しています。女性やジェンダーに関する映像人類学が専攻のようです。

ルーマニアなどの東欧は西ヨーロッパに比べて、少し意識の中で遠い存在です。ロシアだったりポーランド、ウクライナもそうですね。ソ連、ベルリンの壁が崩壊するまで、自分達とは違った政治があった国でした。文化の情報もあまり入ってこなかったし、オリンピックなどでは金メダルをたくさんとるイメージ。ルーマニアといえば、コマネチでした。

そんな国で、ルーマニア語の川端康成の『雪国』に共振する感性。それはどういうことなんだろう。そうして、彼女は日本語を学び、日本語でルーマニアの祖父母のことを書いている。書かれた日本語はとてもきれい。そして新鮮な感じがする。文章の構成などが、きっとどこか私とずれているところがあるんだろう。そのずれが読んでいる時に心地よくて、割れたガラスの断面のようにきらりと光を放つ。

映画、チェルノブイリ、社会主義。印象に残るのはこの三つだった。彼女は1984年生まれだから、89年のチャウシェスク政権が倒れた時のことも覚えている。社会主義に対する憎悪のようなものはとても良く伝わった。チェルノブイリの事故は1986年。ところどころに出てくるそのことが恐ろしい。

さあ、そろそろ閉店します。明日はどんな日だろうか。そして今日メッシは勝てるだろうか。それではまた明日。