喫茶と読書 ひとつぶ

20220924

連日ですが本の投稿です。『カヨと私』読了しました。少し前に買っていたのですが、パワーズがあったり、ベルクソンがあったりでなかなか読めませんでした。ベルクソン投げ出してこっちに行っちゃうか!と思ったりもしたのですが、それはそれで嫌だったんです。

カヨというのはヤギです。小豆島で著者の内澤旬子さんがヤギと暮らし始めます。カヨとの体と心のふれあい、繁殖、ヤギの日常。こんなふうに書いてしまうとつまらないのですが、カヨたちを見つめる内澤さんの愛情深さ、そして洞察の深さがすごい。

私は動物をきちんと飼ったことがないので、あまりよくわからないのですが、大切に世話をして、一緒に生きて行ったら、こんなにも心通じることってあるんでしょうか。

前に勤めていた会社は社長が沖縄出身で、沖縄から出てきた人も多くて、ヤギ汁を一年に一回ふるまってくれました。匂いがきついので、嫌いな人も多いのですが、おっかなびっくり食べてみたところ、私はこれが大好き、ということがわかりました。

そんなつてなのかなんなのか、ある日会社にヤギがやってきました。八千代だったかどこかでヤギを飼っていて譲ってもらったそうです。会社の駐車場の周りなどに生える雑草を食べさせるのが目的だったと言っていましたが、そのうち食べよう、と思っていたのではないかしら。

見にいこうよ、と同僚と駐車場に見に行って、カヨほどではないけれど、白くてまだ細くて小さくてかわいいそのヤギに対面しました。むしゃむしゃ草を食べていて、その辺にある草を抜いて差し出したら、食べたり食べなかったり。この草が好きなのね、というのはそれでわかって、同じものを探して持って行ったりしました。あの子はどうなったのかなあ。毎日見に行っていたわけではないので、私たちには馴れなかったけど、世話をしていた人には馴れていたみたいで、その人が行くとメエメエとよく鳴いていました。そして、ちょっと高いところがやっぱり好きで、すっと斜面を登ったりしていたのも覚えています。その後もずっと飼っていたみたいなので、もう食べられることはないだろうけれど、元気だろうか。

そんな体験もあって、この本の存在を知ったときに、すごく読みたくなったのです。内澤さんは一人でカヨを飼い始めて、カヨの生理にも付き合って、濃密な時を過ごしているので、私の薄っぺらい体験とは次元が違う話です。

あとがきにいきなり『プラテーロとわたし』が出てきてびっくりしました。というのも先日その話をお友達としたばかりだったからです。こんな偶然ってあるんですね。そして今度のお休みに観にいこうと思っている映画が『Lamb』羊。そしてそして、今日から読み始めたパワーズに、山羊の頭(ゴート・ヘッド)という言葉が出てきた!羊がわたしを呼んでいるみたいです。

それでは今日はこの辺で。今日は台風のせいか、連休中日のせいか、静か気味の1日でした。会社員だった時、こんなに予測のつかない毎日を過ごしたことがなかった。大変だけど、面白いです。それではまた明日。おやすみなさい。

<追記>昨日サフランのパンをお忘れになった方がいます。お預かりしています!