喫茶と読書 ひとつぶ

20220407

昨日今日で『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』と『現代思想入門』を読了しました。昨日はゆっくりできて、充実しました。『モンテレッジォ・・・』はずんずん読んでしまいました。なんとなく司馬遼太郎を思い出してしまったのですが、力強い語り口で歴史を語る感じが似ていたのかな。イタリアの小さな村が、本の行商で生計を立ててきた。いったい本を売ることで当時生計は立ったのか、なぜ本なのか、そんな謎が明らかになっていきます。先祖代々の生業を大事に、誇らしげに語る人々。自分もそこで話を聞いているような、そんな臨場感ある文章がとても気持ちが良かったです。

そして『現代思想入門』。ひとつぶにもドゥルーズの本なんかがありますが、私が大学生くらいの時にとても流行ったポストモダニズム、ポスト構造主義。浅田彰さんの『逃走論』が出版されて、私も持っていました。書き始めが、逃げろや逃げろ、みたいな感じでものすごく印象的でした。二項対立から逃げるんだ!そこに巻き込まれてはいけない、というふうに思ったことしか覚えていませんが。本も売ってしまったみたいでないです。流石に『アンチ・オイディプス』は残していたんですね。多分いつか読もうと思っていたんだと思います。当時は挫折しています。

そんな難解な現代思想を、ものすごく丁寧に優しく解説してくださっているのが千葉雅也さんの『現代思想入門』です。鮮やかです。わかった気になりますが、後半はちょっと理解ができていないし、千葉さんの言葉だとわかるのですが、所々原典の翻訳がありますが、それはやっぱりなかなか読み解けません。この本の一番最後に、現代思想の読み方が付録として書かれているのですが、これはとてもわかりやすかった。すごいですね。

そして、なんとなく思ったのは、ポスト構造主義は、やっぱり軽くて明るいんだな、ということでした。解答のない問いかけの周りを永遠に回り続けることをやめて、もっと個別の問題を一つ一つ解決していくこと。それは古代的でもあるようです。私としては、?古代?という感じはありますが、二項対立の終わりのない迷路を見限るということはとても共感するところです。

さて、今日は暖かかったですね。でも、ひとつぶの中はなんとなく冷えていました。結局エアコンを入れてしまいました。玄関を開け放つのはまだ早いのかな?明日はかなり夏に近いようなので、明日はいいかな?それではまた明日。おやすみなさい。