喫茶と読書 ひとつぶ

20210717

茶色い封筒から出てきたのは、真っ白な2冊の本でした。ひとつぶのお客様であり、昨年の秋、まだオープンして数ヶ月のひとつぶの記事を、Cafe Snapというカフェ専用のアプリに書いてくださったライターのRinさんの本。「粉のカタマリ。」というRinさんのホームページを拝見していたら、ご自分でホームページと同じ名前のリトルプレスを作っていらっしゃるとのこと。先日ご来店いただいた際にお伺いしたところ、まだ在庫があり、送っていただきました。

粉って小麦粉ですよね。スコーンが大好きで、毎日スコーンを(たぶん)食べているRinさん。見開きに1店舗づつのスコーンとカフェのお話。まるで歌を歌っているかのような軽やかな文章と、しっかりスコーンの姿を伝える写真。お店への愛情、スコーンへの情熱。それがぎゅうっと詰まった本でした。読んでいると、あの店、この店、全部行きたくなってしまいます。どのお店も個性的だし、街に愛されている様子。人と人とが触れ合っている場所なんだなあと思いました。

それにしても、スコーンっていろんな種類があるんですね。Rinさんが取材してくださった時に、ひとつぶのスコーンってどうでしょうか?これでいいんでしょうか?というようなヘンテコなことを聞いてしまいました。その時に「スコーンは、店主さんがこれがいいって思えば、それでいいんです。店主さんの好きなものになっているでしょう?」と静かに諭してくださいました。『粉のカタマリ』にも同じことが書いてありました。スコーンというものを通して、哲学ともいえることを引き出しているのは、すごいと思いました。

ザクザクなのか、しっとりなのか、サクサクなのか。そんな視点も楽しいし、どんな器を使って、どんなものをスプレッドにしているかなんていうことを見るのも勉強になる。読むことができて、よかった。ありがとうございます。

さて、本日ご来店いただいた皆様、ありがとうございました。かつてのひとつぶの土曜日は、平日よりお客様が少なくて、大丈夫?っていう感じでしたが、最近はそうでもなくて、ホッとしています。ありがたいことです。窓から見える日差し、結構強い感じでした。夏本番ですね。明日も良い1日になりますように。それではおやすみなさい。また明日。