喫茶と読書 ひとつぶ

20210604

千葉県知事、京葉線の新駅の名前を募集するにあたっての記者会見かと思いますが、「ゲートウェイ」というような名前にはしない、ということを言ったそうですね。何でも市長時代に「高輪ゲートウェイ」という駅名に苦言を呈したこともあるとか。いいと思います。言った内容も、私にとっては共感する内容ですし、自分の意見をきちんと表明するというところが良い。熊谷知事を特に支持しているわけではありませんが、今のところ非常に信頼できる方という感じがします。

劇作家の平田オリザさんが、ワークショップで「皆さん、混乱させることが苦手でしょう?」と言ったという記事をTwitterで見かけました。これ、どきっとする言葉でした。これは若者に向けたワークショップだと思いますが、若者ではないけれど、自分にもピタッと当てはまる言葉です。

続けてこう言ったとあります。「きっとこれまで混乱させないように、トラブルを回避するようにと教えられてきたから、その逆は不得手なんでしょうね。」教えられたから、だけではないかもしれない。混乱したり、トラブったときに対応ができない、対応する自信がないのです。

また、平田さんはこんなことも言っています。「シンパシー(同情)はあっても、エンパシー(共感)がない。会話はあっても、対話はない。」これにも同感です。感情的に寄り添ってあげることはできるけど、違う主張の人に共感してあげるのは難しい。ましてや価値観の違う人と、対話することなんて、考えただけでも面倒だし、逃げ出してしまいそう。

自分自身に一番欠けているところを、ぐさっと突かれました。それが日本的な社会だ、と言えばそれまでですが、こういうことを知っておくことは大切。そして、異なる意見の人の話でも、その人の背景や歴史を思いながら共感したり、勇気を持って対話してみたり、ということを、ちょっとだけでも試してみてもいいのかもしれない。そんなことを思いました。知事の話とはちょっと違いますが、自分の意見をきちんと表明できるのって、そういう覚悟もあってのことだろうなと思います。

私もひとつぶの店主として、きちんとお店の考えを伝えられる、そういうふうになりたいと思います。

本日ご来店いただいた皆様、雨の中ありがとうございました。静かで充実した時間が流れていたように思います。もう週末ですね!お天気どうなんだろうか。明日もよろしくお願いします。おやすみなさい。