喫茶と読書 ひとつぶ

20210512

昨日5月11日は萩原朔太郎の命日でした。ブログに書こうと思っていたのに、映画の感動ですっかり忘れました。亡くなったときは55歳。

私が朔太郎の詩と出会ったのは高校の時でした。国語の授業で。授業の内容は実は覚えていませんが、「竹」の詩のリズムと天に向かって伸びてゆくような言葉の力に魅了されました。それから新潮文庫の詩集を買ったり、文芸読本みたいなものを買ったり。その興味は近代詩全般、そして現代詩へ。大きな扉をバンっと開いてくれたのがあの詩でした。あんなに感動してのめり込んだあの頃、懐かしいなあ。

自分も詩を書きたくて、でも、全然ものにならなかった。ひどいもんでした。どうして自分の体は何もかも通り抜けていくだけで、何かを残せないんだろうって思っていました。いろんな出来事、いろんな人たち。透明な自分を物事がすうっと流れていって、一人流れの中に残される。何も覚えていられないし、何も感じていない。出てくる言葉は空虚で意味のないもので、何一つ紙には記されないまま。

いまだにそんな感覚はあって、ふっと現実との間に透明な膜のようなものを感じることがあります。

本日ご来店いただいた皆様、ありがとうございました。またぜひお時間あればお立ち寄りください。ひとつぶはいつでも、皆様のひとりの時間の味方です。明日は雨かな?梅雨っぽい感じですね。それではおやすみなさい。また明日。