喫茶と読書 ひとつぶ

20200904

昨日の日記、ちょっと恥ずかしいです。みなさん引いてませんか?

そもそも自己紹介をなぜしようかと思ったかというと、何人かのお客様に、店主は男性かと思っていた、ということをお伺いしたからなのです。男性と思われていても、特に支障もないし、来て見てびっくりでもよいのかもしれないのですが、こんな人間がやっています、ということをお知らせする方が安心かなと思ったのです。店自体が、あまり聞いたことのないコンセプトで、料金システムも特殊で、店への階段はちょっと怖い…となると、せめてそこにいる店主くらいは、正体がわかっていた方がいいのかなあという感じです。

そもそも何かやってきたという過去もなく、そんなに紹介することもないので、ちょっと驚かれた方もいるかもしれません。それでも、学生時代以降はまた今度完成させようと思います。

昨日昔のことを色々思い出したせいか、大学時代によく行っていたカフェ?あの頃は喫茶店と行っていたかもしれませんが、今思えばあれはカフェっぽい、お店のことを今日は考えていました。お店の名前は『西瓜糖』。ブローディガンの『西瓜糖の日々』からとったのだと思います。ひとつぶと同じくらいの狭いお店で、阿佐ヶ谷の中杉通りに面した1Fで、ガラス張りでした。床は黒、硬質なゴムだったかな、大きなレゴみたいな感じの凹凸がありました。テーブルはアルミでしょうか、シルバーのつや消し、椅子は座面は黒でフレームはシルバーだったと思います。全部で20席くらいだったかな。

白い壁は画廊も兼ねていて、毎月展示が変わっていたと思います。ご夫婦でやっていらして、痩せて背の高いご主人と、背の低いショートカットの奥様でした。音楽は多分、現代音楽がかかっていて、引き出しの中にぎっしりCDが詰まっていて、1枚終わると引き出しを開けて新しいCDを出しておられました。本も少しおいていて、多分美術の本があったと思います。コーヒーを頼むと、ピスタチオが一粒ソーサーについてきました。

すごく好きな空間でした。決して座り心地の良い椅子ではなかったけれど、駅前の本屋やアーケードの古本屋さんで買った本をそこで読み始めたり、眺めたりしていました。

ちょっとセンチメンタルになりかけました。誰にでも多分、こういう思い出のお店があると思います。ひとつぶは少し違うかもしれないけど、お客様の記憶のどこかに引っかかっていられたらいいなと思います。