喫茶と読書 ひとつぶ

20200729

本日もありがとうございました。

定休日明けの水曜日。ワンプレートは月曜日に切り替えていたので、それほど混乱もせず、朝の仕込みはよい流れだったかと思います。その後もお客様の対応をしながらの新しいメニューの作成。もう明日には決定していたいですもんね。そしてチラシが発送されたとのこと。着々と2ヶ月目に向かいつつあります。

今日も本をじっくり読まれているお客様の姿が目に入り、とても素敵だなあと思いました。fuzkue阿久津さんがよくそのようなことを書いているのですが、確かによい光景です。そういえば、照明を決めるときに、本を読んでいる人の手元を照らしているブラケットの写真があって、それがとても好きでした。本を読む人という絵もたくさんありそうですよね。

そして、朝、訃報が舞い込みました。戸田ツトムさん。デザイナーの方です。わたしは主にエディトリアルで知ったのですが、ものすごい方で、1980年代から90年代には書店の平台は戸田さん装幀の本であふれていたのではないでしょうか。菊池信義さんと、戸田ツトムさん。わたしはこの二人から装幀の面白さに気がついたと思います。雑誌のグラフィックなどとは少し違う、書物というものを物体としてデザインすること。そして戸田さんは、コンピューターを使いながらも、そこに生じるノイズのようなものを拾い上げて、単なるコンピューターグラフィックスとは違う、「電脳」の見せ方のようなものを次々と展開してくれました。戸田さんの装幀した本を買って、めくるたびにワクワクして、でもこの潔癖な世界を自分の指紋で汚さないように、恐る恐る見ていた覚えがあります。

戸田さんの仕事が次から次へと繰り出されたあの時代に生きていて、その有様を見ることができてよかった。そう思います。69歳。まだまだやりたいことがたくさんあったのではないかなと思います。早すぎますね。ご冥福をお祈りします。