喫茶と読書 ひとつぶ

ひとつぶの席 8

文句なしの一番人気です。8番。唯一窓がある。広い。欠点といえば、窓があるが故に、気がついたらぼけっと外を見ていたとか、繰り広げられる人間模様に気を取られてしまったなどが考えられます。あと、これはちょっと心配ですが、選挙の時なんかはもしかしたら結構うるさいかもしれない。これはこの席だけに限らないのですが。照明器具はデスクスタンドで、上部の突起を回していただくと点灯します。椅子は7番とお揃い。

その7番の席との間に食に関する本、その反対側、左側には児童書が少し。足元にも。自分の読書遍歴の一番最初のところです。物語、本との出会いは『スーホの白い馬』でした。これはたいへんな名作ですので、ほとんどの方はご存知と思います。泣いてしまったのを覚えています。幼稚園の頃。先生が読んでくれて、お話にのめり込んだんですね。そこから、ばかみたいに本を読むようになりました。今はあまり児童書は読まないのですが、児童書の紹介をみたり、たまに書店でコーナーを覗くとうっかり欲しくなるものがたくさんありますね。昔からあるけど読んでいないものもあるし、新しいものもいいものがたくさんあります。児童書だけに限定したとして、それでも一生かかっても読みきれないのだろうなと思うと、悲しくなります。知りたいこと、面白そうなことはたくさんあるのに。

児童書のさらに左はひとつぶの象徴のような青い壁です。素晴らしい青ですね。これの仕上げを塗り上げてくれたのはつみきさんのところのみどりちゃん。(スイッチの下のところがちょっとムラになっているのは私が最後の最後にやっちゃったからです。ごめんなさい。)この青は本当に素晴らしい。そして照明の下に棚があるのですが、そこは今はニコルというブランドの昔のカタログが置いてあります。カタログではありますが、バロンラットという写真家の方の写真がとても幻想的で素敵な本です。この本もいいですが、いつかもっとここにふさわしい本を見つけてきたいなと思っています。

ゆっくりお茶を飲みながら、懐かしい本に目を通して、時々窓の外に目をやって。そんな時間の過ごし方もいいのではないでしょうか。がっつり読むのもいいけど、くつろぎながら、頭をリフレッシュする。この席はカウンターも広いので、作業も進むとは思うのですが、そんなゆったり時間にも良いのではないかと思っています。