20250920
こんばんは!今日は静かな1日でした。天気のせいか、気温のせいか。わかりませんが、少しホッとしたところもあります。異常事態が続いていましたからね。
さて、そんな1日。もちろん本をガンガンと読みました!昨日まで半分くらい読み進めていたのは『ムーア人による報告』という本です。最近小説に関してはすごくついていて、これもものすごく面白い小説でした。
1528年にフロリダに上陸したスペイン人たち。その中に、モロッコ生まれの奴隷のムスタファもおりました。探検隊は金を求めて海を離れ奥地に入っていきます。そこからインディオとの出会い、遭難、飢餓などにより、だんだんと人数は減っていきます。やがてその数は4人となり、インディオに使われるようになるまで落ちぶれてしまいます。そこから運命はさらに逆転していきます。ムスタファの行き着く先は。
とにかく物語がすごいスピードで進んでいくので、全く止まることなく読んでしまいました。ムスタファが奴隷になる前の話も織り交ぜられて、それも全く混乱することなく読めます。目次の後に登場人物の一覧があり、これはいつも名前がごちゃごちゃになってしまう私にとっては嬉しいお気遣いでした。
文化人類学に興味を持つと、やはりこういう時代の西洋人と現地の民族との話は読みたくなってしまいます。そこにもう一つ奴隷という要素が加わるので、また違った視点から見ることができたのも魅力でした。ムスタファは実在の人物のようですが、資料には名前だけが登場するようです。そこからここまでの物語を紡ぐ作者の筆力には圧倒です。
宗教は一つじゃない、という言葉が印象的でした。イスラム教徒であるムスタファの心からの思いです。この言葉を世界中の人に届けたいと思いました。(『ムーア人による報告』レイラ・ララミ著・木原善彦訳/白水社/2025年6月)
さて、それでは帰ります。明日は暑さが戻ってくるんですよね。体調に気をつけましょう!おやすみなさい。