20250712
以前に挫折した本をまた読み始めています。今度はメモを取りながらゆっくり読んでいます。そして、ついに前に挫折したところまで行きつきました。まだ3章だけど・・・。
その本は『内在的多様性批判』という本です。なんのこっちゃい?と思うでしょ?これは人類学の本です。著者は久保明教先生。私は『働くことの人類学』で初めて知りました。その時も、一人だけちょっと異色で、難しい話をされる人だなあと思いました。他の方はそれぞれ言わば未開の地でフィールドワークをされていて、その生活や文化について話されていたのですが、久保さんは料理の話とかをされていたと思います。今調べようとしたら、本がなかった。家に持って帰ってしまったのかもしれません。そんな切り口もあるんだ、と思って図書館で久保さんのご著書『機械カニバリズム』を借りて読もうとしたのですが、難しくて読めませんでした。
今回のご著書は、たまたま東京駅のところにある丸善で、出たばかりだったのを買いました。その後、他の本屋さんではこの本を見ていないので、あの時買っておいてよかった、と思います。里見龍樹さんの本を読んで、人類学の「存在論的転回」なるものに興味を覚え、それでもそのことについて語られた本は、私の狭い知識の中では見つけられませんでした。ところが、この『内在的多様性批判』は、そのあたりの言葉に満ちていて、絶対に難しいぞ、と思いながらも、買わないわけにはいかなかったのです。
人類学の入門書は何冊か読みましたが、19世紀から20世紀くらいまでは俯瞰できるものの、その先があまりわからなくて、モヤモヤしていました。マルチスピーシーズについても、あれこれ読みましたが、今一つピンと来なかった。私が大学生だった1980年台くらいから、人類学に何かが起きていたようなのですが、『働くことの人類学』ではいろんな人が自分たちが人類学を学び始めた時には大変な状態だった、というようなことを言っていて、でもはっきりはわからない。いったいなんなんだーというのが気になって、数年経っています。
久保先生のこの本で、モヤモヤが晴れてきたように思います。思いますが、難しいのでゆっくりゆっくり読みます。そうやって何度も読んでいると、久保先生がとても丁寧に説明してくださっているのもわかってきました。まだ3章!なのですが、頑張って読み進もうと思います。そして、ちゃんとそれぞれの原典にもあたってみようと思います。グレーバー先生も挫折してるしなあ。これから先の生涯をかけても読めなさそうだけど。
それでは帰ります。また明日もよろしくお願いします。明日も今日くらい涼しいといいなあ。おやすみなさい。