20250327
今19時20分です。お客様が皆様帰られたので、ブログ書こうかなあと思っています。外はすごい風。春の嵐ですね。桜はまだちょっとしか咲いていないので、大丈夫だと思うけど。木蓮とかこぶしは散ってしまうかもしれません。春は大変だ。
さて、昨日DIC川村記念美術館に行ってまいりました。ギリギリまで行くかどうするか迷っていました。相当混んでいて、入館もロスコルームの入室も並ぶ、ということだったので。それでも、きっと行かなかったら後悔する、と思って、前日には仕入れは済ませていたし、仕込みも早めに終わらせて、13時に出発。Googleマップによると、だいたい1時間半くらいかかります。Google先生が教えてくれる道ではなくて、私の好きな、沼の中みたいなところを通る道で行きました。昔はこの道を教えてくれたのに、最近は高速道路の側道をずっと行くように指示されます。風情が、違います。印旛沼のそばを通る道は、最初に川村美術館に行ったときも通ったし、カブで一度行ったことがありますが、そのときもそこを通りました。片側は斜面で、片側は沼地っぽい一本道。最後だからどこかで停めて写真撮ろうかなと思いながらも、いい感じで運転しているので、写真は撮らないまま。
美術館に到着すると、確かに異様な雰囲気です。臨時駐車場があって、普段はグランドに使っているところです。初めて入りました。チケット売り場も入館するところも、並んでいなくてホッとしましたが、館内はやはり人がたくさん。14時半過ぎ。
ロッカーに荷物を預けますが、このときもびっくり。いつもはしまっている扉が開いていて、その奥にもロッカーが。そんなふうに備えていたんですね。閉館になる時に使われるとは皮肉。
川村家三代の写真を拝見して、最初の展示室に入ると、シャガールの絵の前に人だかり。その次の部屋のレンブラントも人だかり。夕方になれば空くだろうと、その辺はサッと。レオナール・フジタのレースはじっくり。次の展示室の、モホイ=ナジの小さなリノカットが、前回とても印象に残っていたので、じっくりと。
次の部屋は三面の壁を大きく使って、たくさんの小さな作品が展示されています。クリスト、ピカソ、ヴォルス、若林奮、赤瀬川原平、リチャード・ハミルトン、瀧口修造、etc。この部屋の構成は見事だと思う。川村美術館が川村美術館たる理由が、存在意義がここにある。特に私はヴォルス。ヴォルスは新しい場所でもぜひ見たい。残してほしいです。
明るい廊下を渡って、シュルレアリスムの作家たちの部屋へ。ジョアン・ミロとマックス・エルンスト。特にエルンストの『石化する森』は、最初に来た時からのお気に入りです。この作品の絵葉書は買ったはず。色彩、タッチ、全てが本当に素晴らしいと思います。その隣のコーネルの部屋。コーネルはザ・川村美術館、というイメージです。愛らしい作品たち。コーネルはきっと残してくれるだろうと思っています。
次がロスコルームなのですが、話に聞いていた通り、かなり並んでいます。これは後にしようと2階へ。2階に上がってすぐに部屋は、何も展示されていない部屋。売却してしまった作品への敬意を込めて、ということのようです。作品のためにそれぞれの部屋が作られている、というコンセプトなのです。
ステラの巨大な作品を眺めながらホワイエへ。エンツォ・クッキの黄色い作品も、最初から印象的な作品でした。そして最後の展示室へ。ここで、いろんな作品、作家たちに出会ったなと天井を見上げながら回りました。中でもサイ・トゥオンブリーの黒板をチョークで引っ掻いたような作品。最初に見た時には、今回何も展示されていなかった、あの明るい部屋で展示されていました。これ以上は近寄らないで、という線があって、気が付かず注意されたのを覚えています。今回はなぜかそういう線がなくて、ものすごく近くに寄ってみることができました。太くなったり細くなったり、消してあったりする線を一つ一つ辿って、また離れて見て。ということを繰り返していました。
ざっと一通り見終わって、もう一度ロスコルームへ。その途中で、シャガールとか、レンブラントとか、先ほどは混雑していて素通りしたところもじっくり鑑賞。そしてロスコルームへの通路ですが、まだ少し並んでいました。それが3時半よりちょっと前くらいだったのか。でも、すぐに入れそうだったので、並びました。部屋から出てきた人数を入場させていたようです。部屋の中の時間制限はなし。
7枚のシーグラム壁画を、一つ一つ時間をかけて、時には中央のソファに座りながらじっくりじっくり見ました。六本木で新しい展示室で見られるかもしれないけれど、ここで見るのはこれが最後。来るたびにゆっくりして、絵の前でいろんなことを考えた。会社のこと、家族のこと、ひとつぶのこと。こんなものを描くなんて狂気以外の何ものでもないと思うけど、それがこの絵画の持つ生命力なんだと思う。どんな順番で、どんなふうにこれを描いたのか。何回も何回もたどるけど、わからない。忘れないようにしよう、あのオレンジの飛沫、暗い色の霞んだところ、臙脂の薄くなっている部分。絶対に忘れない。今度また見られるときに、確認しよう。絶対に記憶しておこう。
部屋を出る時に、ロスコに、ロスコルームにどうしても感謝の気持ちがあって、小さくお辞儀をしてしまいました。これで最後なんだ、最後なんだ、と思って廊下を逆に辿ったのだけど、こんなふうに反対から帰るのは嫌だな、と思ってまた戻り始めてしまいました。そうすると、またヴォルスも、エルンストも見るし、コーネルも見るし、またロスコルームの前に。さっきお別れしたのに、と思ったけれど、素通りはできない。もう自由に入れる。もう一度、入ってしまいました。覚えている、覚えている、ここ、あそこ。そう思いながら、また長い時間を過ごしました。
そして2階に上がり、サイ・トゥオンブリー、ロバート・ライマン、若林奮、中西夏之、杉戸洋、etc。福田尚代さんも、ここで出会った。
ロスコルームでは泣いている人もいて、私も少し込み上げてしまって、がまんするのが苦しかった。売店でロスコの本を買おう、と思ったけど、8000円で、さすがに考えてしまって買えなかった。でも、ロスコのことは、今まであまり調べたことがなかったけれど、勉強しよう、と思っています。やっぱりあの作品たち、本当にすごいから。
約2時間、3周くらいして、これで本当にさよならでした。今でもまだ信じられない。DICには感謝と、なぜもっとうまくやってくれなかった、と詰りたいような気持ちがあります。国際文化会館への縮小移転についても、株主の方から反対もあるようですが、今日の株主総会の結果としては、なんとかロスコの売却は免れそうだ、ということらしいです。
庭園は5月からまた入園できるようです。いつかお庭だけでもまた訪れてみようかな。寂しい、寂しいね。生きていくと、こんなお別れもある。帰りは、今まで通ったことのない道で帰って、運転に集中。それで良かったと思う。
長々すみません。今日はこれで帰ります。また明日、よろしくお願いします。明後日3/29から4/2までお休みです!