喫茶と読書 ひとつぶ

20240929

さて、9月がいよいよ終わりますね!今年も終盤戦。今年の目標はなんだったかな?クオリティを上げるではなかったですか?最後に追い上げたいです!というか、全然できていない!

今日BOOKNERDから届いた本を開店前に読んでいました。『くふや くわづ』という本です。盛岡にある「くふや」というお店を36年やっていらっしゃる方に、BOOKNERDの早坂さんがインタビューしたものをまとめたものです。すごく薄い本なのですが、中にある言葉はずっしりと重いものでした。自分が今飲食店をやっているからだと思いますが、お店をやっていく覚悟の凄さを感じました。私はまだ4年しかやっていませんが、もうふうふう言っていて、恥ずかしいです。

「繁盛するより長続き」というのがこの店の信条だと言います。実際、お店をやっていると、繁盛ということがなんなのかわからなくなる時があります。お客様が次から次へと来てくださる。それはそれで嬉しいのですが、この方達の何割がまた来てくださるのだろう、と思うとちょっと怖くなります。雑誌に載ったり、SNSで取り上げられたりすると、一時的にお客様は増えます。もちろんその中から、複数回いらしてくださるお客様はいらっしゃるのでありがたいのですが、そのために消耗してしまうものもあるのです。もっと、もっと、と、広げていくやり方もあると思うのですが、自分の手の届く範囲で、大切にお店を育んでいくというやり方の方が私には合っているのだろうなと思います。もっとも、長く続ける、ということは今までの人生で最も不得手だったことなので、さてどうなるやらというところですが。

私にはまだまだ覚悟というものがないし、このままふんわりと人生が終わってしまうのかもしれません。それでも、「くふや」のお二人のことを知れてよかった。ひとつぶをやっていなかったら、こんなに商売ということの重みを感じられることもなかったと思います。こんな本を作ってくださった早坂さんに感謝です。今度盛岡に行ったら、絶対に「くふや」に行くと決めました。

さて、それでは帰ります。明日は仕込み薄めにします。雨みたいだし、月曜日はお客様も少ないので。それではまた明日。おやすみなさい。