喫茶と読書 ひとつぶ

20210707

七夕ですが、それどころではなくなりましたね。東京に4回目の緊急事態宣言。多分酒類の提供がまたできなくなるのでしょう。今日の感染者の発表は目を疑いました。朝、オリンピックが開幕する頃に東京は4桁になるかも、というニュースを聞いたところでした。現実はもっとテンポ早いみたいですね。さて、千葉県はどうするのか。千葉も確実に感染者は増加傾向です。

今日も図書館で借りてきた本をぐいぐい読みました。『はじめての沖縄』岸政彦さん、『オリーブの罠』酒井順子さん、読了。どちらもあっという間に読んでしまった。面白かったです。

『はじめての沖縄』は、沖縄に興味があったというよりは岸政彦さんの本を読んでみたかった。『断片的なものの社会学』という本をよく書店で見かけるのだけれど、買うには至らず、そのうち『大阪』という柴崎友香さんとの共著が話題になっていて、読んでみたいなと思ったのです。図書館ですぐに借りられそうなのが『はじめての沖縄』でした。

そう入っても、実は私は少し沖縄に縁があって。縁というのかな、前に勤めていた会社の社長が沖縄の人で、社員も沖縄の人が大勢いたのです。社長は沖縄では東京で成功した人、というすごい人で、首里城の再建にもずいぶん寄付したみたいです。岸さんも書いているけれど、沖縄には何か人を惹きつける魅力のようなものがあって、私もなんとなくいいなと思っていました。でも、その会社で沖縄の人たちと接していて、沖縄だから、という理由でその人たちと仲良くなったわけではなかった気がします。気が合う人もいたし、合わない人もいた。心を開かない人もいたし、素朴な人もいました。私が感じたのは、たとえば長野県の田舎の方の人たちとそんなに違わないなということ。もちろん言葉や風習は違いますが、沖縄の人だから明るいとか、南国気質だとかっていうことはなかった気がします。もちろんそれは、こちらの土俵である内地で出会ったこともあるんでしょう。もし、彼らの故郷で交流していたら、もう少し違っていたのかもしれません。そんな自分の沖縄観みたいなものを参照しながら、楽しく読みました。

そして『オリーブの罠』は、軽く読み始めたものの、酒井順子さんが、高校生の時からオリーブに執筆しているという、すごい人とは全然知らず、すごい!という感じでした。私は同世代ですが、外からオリーブに憧れている女の子でした。高校生の頃に創刊されて、バイブルみたいなものでした。結婚した時に全部売ってしまって、本当にもったいないことをしました。今読んだら面白いんでしょうね。この本を読んでいて、なんとなく思い出したのですが、高校生の時には本当に面白くて大切だったのですが、大学に入って、東京に来て、買うには買うけど、だんだん自分の世界とずれていったような気がします。酒井さんによれば、ターゲットは高校生だったようで、その辺がイケイケの大学生ではない私でも、さすがにちょっと違うかなっていうところがあったのかもしれません。

それでも、洋服だけではなく、日常生活までおしゃれにしよう、文化もどんどん取り込もう、そんなことをたくさんこの雑誌に教わったんだなと再確認しました。マガジンハウスは憧れだったなあ。

本日ご来店いただいた皆様、ありがとうございました。今日はたくさんのお客様にご来店いただいて、嬉しかったですし、びっくりしました。やっぱりこういう日が楽しいなあと思いました。また明日も良い1日になりますように。それではおやすみなさい。