喫茶と読書 ひとつぶ

20200414

結局終日雨でした。雨は昨日のうちに終わるのだと思っていたので、びっくりです。雨の中足を運んでいただいたお客様、ありがとうございました。

静かな1日でしたので、がっつり『チョンキンマンションのボスは知っている』小川さやかさん、読了です。面白かった。FUZKUEの阿久津さんのメルマガに登場していて、贈与論と関連しているみたいだったので、興味があって読んでみました。

チョンキンマンションのボス、カラマと知り合うことによって、作者は香港を舞台にしたタンザニアを中心としたアフリカ人たちの経済活動を目の当たりにすることになります。

「彼らの日常的な助けあいの大部分は『ついで』で回っている。」「無理な相談はさわやかに聞き流し、」「誰かと誰かの取引の成立において『おこぼれ』という形の共同利益が創出される。」「『見せかけ』『まやかし』による信頼」

これらの言葉からなんとなく伝わってくるでしょうか。日本の社会通念でいうと、なんとなく適当でいい加減なのです。勤勉であれ、真面目であれ。それが良い生き方である、と思ってきた、思わされてきたけれど、どうやら違う価値観が世界にはある。それは昔だったら、途上国だからきちんとしていない、教育がない、と言われてしまうようなものだったと思う。でも、何かしら閉塞感を感じる今の状況からすると、とても魅力的に見えるし、新しい可能性を感じるものでもある。

オークションの評価システムというものがある。それはよく考えられていて、便利なものだけど、小川さんは、これは評価の低い人を排除する仕組み、とも言えると書いている。確かにそう。何かうまくいかなくて評価を下げられてしまうと、それは取り返しがつかなかったり、そのために入札ができなくなったりしてしまう。そして、オークションの世界からつまはじきになってしまう。SNSもそうだ。炎上してしまって、レッテルを貼られてしまったら、アカウントに死が訪れる。便利で安心なようでいて、実は私たちは片側が崖になっている道を歩いているのかもしれない。

贈与、交換、シェアリング経済など、まだ学んでいかないとわからないことが多い。それでもタンザニア人たちのしたたかな生き様に、すごく元気をもらった。軽やかに生きていきたい。

読み終えてネットニュースを覗いてみたら、第4波、いよいよ深刻になってきました。神奈川、埼玉はかなりの感染者数。千葉は前回と同じく、少し遅れているようですが。昨夜イギリスでロックダウン解除のニュースを見ましたが、ものすごい密になってて、いくらワクチンを接種してても、大丈夫なのか?と思いました。まだまだ何が起こるかわかりませんね。オリンピックもね。それでは今日は早めに帰ります。お休みなさい。