喫茶と読書 ひとつぶ

20251219

こんばんは!今日寒かったですよね?私は冬に負けました。マルサン堂さんに車で行ってしまった。睡魔にも負けたんですが、それより寒さの方が強かったかな。防寒用の帽子とか手袋を持ってこないと、勝てないかもです。

さて、昨日サラッと書いた千葉県立美術館の展覧会です。『オランダ×千葉 撮る、物語る サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴』というタイトル。カタログによると、江戸時代に佐倉藩が蘭学を推奨したことをきっかけとして、千葉県はオランダとの交流を大切にしてきていて、東京オリンピックの際には、オランダ選手団のホスト県も務めたそう。芸術分野では一昨年にテオ・ヤンセンの展覧会も開きました。これは私も覚えていて、残念ながら行かれなかったのですが。今回の展覧会はその第二弾という位置付けのようです。

清水裕貴さんは千葉県出身で、今も在住のようです。私が清水さんの写真を知ったのは「曲線」さんのホームページか、SNSだと思います。印象的な写真集の表紙に惹かれて、それでもその時は購入するには至らずでした。その後、多分去年の秋頃に、展覧会をされていて、そのレポートのようなものを読んだのだと思います。その写真を見て、あ、あの写真集の人だと気がつき、名前も知らないのに2回気持ちが惹かれたことを大切にしようと思いました。丸善の本店で、そういえばと思って写真集の棚を見たらひっそりと棚にさされていました。今度は迷うことなく購入しました。そして昨年末から3月までやっていた東京都現代美術館での『こうふくのしま』というグループ展。こちらには行けていて、初めて実物を見ることができました。

私は清水さんの写真の色とか、空気とか、表面に傷のようなものをかけていたりとか、そういう感覚的なところがすごく好きでした。そういう意味では、あまり写真の文脈とか意味合いというものには注意を払っていなかったかもしれません。それが今回、テキストを組み合わせる展示(こうふくのしまの時もそうだったのかもしれないのだけど)に触れたために、表層的なことだけではない、清水さんが写真を撮る意味のようなものを知れたような気がします。それは今回のテキストが、学芸員Kさんとの対話という形だったためかもしれません。(これは私の想像なのですが)戸定邸の広縁のようなところで、お二人で佇みながら、一枚一枚写真を見ながらお話をされているような、そんな空気感がとても良かったのです。そうやって、過去の写真、そこに定着された過去の土地や人と対話しながら、現在の川や土地に眠っている記憶をご自身の写真として撮ること。そういう営みとしての写真のあり方に気がつくことができました。なんと豊かなことなんでしょうか。

清水さんは小説家でもあって、こちらは未読なのですが、今回の展示を見たことで読んでみたいと思いました。自分の持っている写真集『岸』も、ついつい写真を眺めてほおっとしていたのですが、テキストももう一度読んでみようと思います。

さて、それでは帰ります。明日もよろしくお願いします。おやすみなさい。