喫茶と読書 ひとつぶ

20251107

こんばんは。このところ、夕方からゆったりとしていて、読書が捗っています。『ジートコヴァーの最後の女神たち』も読み終わりました!これはとんでもない傑作でした。ドイツと東欧に挟まれるというチェコならではの揺らぎの時代。ナチスや共産主義に翻弄され、その中でも連綿と続いたその土地の信仰です。私たちは歴史で戦争を学びますが、人はいろんな土地で生きています。その土地ならではの戦争への向き合い方、戦争の絡み方があるのだと思います。日本でも、東京で戦争を体験した人と、地方の人では全く違った経験になっているのではないでしょうか。兵士と銃後の人では全く違った経験になるでしょうし。いずれにしても、時代の大きな波に、人は翻弄されながら生きているということです。

そして今日は『傷のあわい』を読了です。宮地尚子さんのちょっと不思議なエッセイでした。宮地さんは精神科の医師なのですが、ボストンに留学中に、ボストンに住む日本人のメンタルヘルスを調査するため、アンケートをして、そのうちの何人かに直接インタビューをしました。その体験をもとに組み上げた『物語』なのです。登場する人たちは、インタビューで出会った人そのものではなくて、複数の人のミックスであったり、脚色されたりしていて、完全にフィクションである、と断り書きもあるのです。どれも断片的で、ふわっとしていて、何も言い切らない。それでもその人たちの横顔が印象づけられてしまう。そんなエッセイ、いや、エッセイとも言えない文章たちなのでした。

こちらを読み終えて、先ほどから読み始めたのが『プレイグラウンド』。パワーズです。わーい。この本が出ることを私は全然知らなかったので、紀伊國屋で見た時にはびっくりしました。洋書が置いてあるのかな?と思ったくらい。まだまだ数ページですが、もう傑作の予感です。大事に読みたいです。

さて、それでは今日も調理に戻ります。そろそろ焼き上がります。冷ましてから帰ろう。それではまた明日。おやすみなさい。