20251025
こんばんは!『ゾミア』読了しました!面白かったです。長かったー。約1ヶ月かかりました。それでも全然飽きなかったし、すごかったです。あとがきを読んでいたら、この本の著者ジェームス・C・スコットは山岳民族の元でフィールドワークもしていたそうです。この本は、たった一つのアイデア、ゾミアの民は取り残されたものたちではなく、自らそこにいることを選んだ人々である、ということを他の地方も含めて、さまざまな角度から分析したものです。これだけの分量の情報を集めて書くことのすごみ。
面白かったのは、文字についての章でした。ここは他の部分と違って、若干筆者の想像も入っている、ということで章立ての中でもちょっと別格に扱われていました。彼らは、元々は文字を持っていたのだが、それをどこかで盗られてしまい、それから文字を失ってしまった、という伝説がいろんなバリエーションで残されているそうです。文字を持つということは、歴史を持つことでもある。そこで質問。なぜ歴史が必要なのか。それは権力の正当性を裏付けるものでもあった。ゾミアの民にそれは必要なものだったのだろうか?こうして思考は続いていく。
今の自分たちの置かれている状況を、当たり前だと思ってはいけない。国という概念が広まったのは、そんなに昔のことではないのだし、絶対に必要なものというわけではないのだ。ただ、第二次世界大戦以降、情報やテクノロジーのために、この本で描かれたような山岳民の世界は失われてしまったとのことです。残念だけど。(『ゾミア』ジェームズ・C・スコット/みすず書房/2013年10月)
さ、大物を片付けたので、またいっぱい読めるぞー。と張り切っております。それでは調理に戻りますね!また明日もよろしくお願いします。おやすみなさい。