20250906
夏が戻ってきてしまいましたね。涼しいのは束の間。まだまだ続きます。がんばりましょう。というか、がんばらずに生き抜きましょうね。
さて、昨日は思ったよりもお客様がご来店くださったのですが、それでも少し時間があって、新しい本を読み始めました。マリノフスキの『西太平洋の遠洋航海者』をなんとか木曜日に読み終えて(これもとてもいい本でした。すごい、人類学者すごい、と思いました)、この間買ったばかりの『もうひとつのエデン』を。そして今日、夕方以降は静かな時間でしたので、読み終えました。読み終わるのが嫌なくらい、とても面白かったです。
アメリカ、メイン州の海岸近くにあるアップル島。そこは多様な人種、混血の人々が住んでいました。その島に本土から視察団がやってきます。そして悲劇が始まります。視察団が来るきっかけのようになったのが、島にやってきた元教師でした。彼は学校を作り、子供達の中には才能を開花させるものもありました。
この本の前に読んでいたのが『西太平洋の遠洋航海者』だった、というのもあって、文化とは文明とはということを考えさせられました。貧しいけれど、静かで穏やかな生活をしていた人々を自分たちの尺度で不潔とか精神病とかってカテゴライズして、それを矯正しようとする白人たち。物語の中で、人々を追い払った後の島をリゾート地にする計画をしている人がいて、まるでトランプやん!と驚きました。
読んでいくうちに、島の人々に愛着が湧いてきて、終わりに近づくにつれて、ハラハラして苦しくなりました。読み始めは相変わらず人名が頭に入ってこなくて、家系図を書いてました。笑
そして、この物語で多分重要なのが、聖書の物語です。旧約聖書の話が結構出てきます。モースとかノアの方舟とか。この辺の話を知っていると、さらに面白いのかもしれません。私は昔聖書は読んだはずなんだけど、一通りのことしか覚えてなくて、ちょっと残念。
そんな感じで、物語にグイグイひきこまれましたが、自然の描写もとても美しくて気持ちが良かったです。(『もうひとつのエデン』ポール・ハーディング著/白水社/2025年9月)
さて、それでは帰ります。今朝はちょっと涼しくて、仕込みする時も風を感じたりしたけど、明日はどうだろうか。朝晩だけでも涼しいといいんですけどね。おやすみなさい。また明日。