喫茶と読書 ひとつぶ

20250227

こんばんは!今日はのんびりでした。外は麗らかでしたね。こんな時にはかえって室内の方が冷えますね。これって、建物が冷えているということなんでしょうか。不思議です。

さて、このお休み、病み上がりだしということで、映画を観てきました。『ブルータリスト』です。アカデミー賞にもノミネートされていて、いろいろ話題ですが、なんと言っても上映時間。なんと3時間35分です。これは覚悟のいる数字ですよね。私も悩みました。寝てしまうかもしれないというのが一番怖かった。でも、建築家の話だし、主演が『戦場のピアニスト』のエイドリアン・ブロディ。見たい、見たいと気持ちが盛り上がって、テラスモールで見てきました!

ちょうどお昼を跨いだ時間だったので、ホットドッグとポップコーンがセットになったものを売店で買って持ち込みました。長丁場だから、眠くなったら飲み物とポップコーンで目を覚そう、なんて思ったのです。がっつりホルダーに入れてもらってスクリーンの前に座りましたが、意外と周りから食べ物の音とかがしてこない。ちょっと恥ずかしくなりました。

ところが、なんと、この3時間35分、全く眠気を感じさせませんでした。途中で15分の休憩が入るのですが、先が知りたくて、15分はすごく長く感じました。これはすごいことだと思います。

映画の内容はネタバレになるのであまり書きませんが、ハンガリー系ユダヤ人の建築家が、ナチスの迫害を逃れてアメリカに渡航します。それがエイドリアン・ブロディ扮するラースロー。インテリアのお店を営むいとこに面倒を見てもらい、ある時書斎の改装を依頼されて、そこから運命が回り始めます。

最近、ホロコーストを逃れるために知識人がアメリカに移住するというエピソードを、本でも映画でも目にする機会が多くて(たまたまですが)、ラースローもそういう人の末端の一人なんだろうと思いながら見ていました。アメリカに渡ったユダヤ人の知識人たちは、私のイメージではアメリカに感謝して、新天地でも自分の研究を続ける、というものでした。でも、ラースローはそういう感じでもなくて、アメリカという国への屈折した気持ち、のようなものを感じました。物語の中にはイスラエルの話も出てきて、まさに今このタイミングで見ると、複雑な思いになります。

そして、映画が始まってすぐに映し出されるタイトルやクレジットがかっこいい。最後のエンドロールも。改装された書斎のシーンは、この映画の中で最高のシーンでした。

あと、音楽がすごく良かった。休憩の時の音楽もちゃんとあって、すごく良かったです。トイレに立つのももったいなかった。

とても長い映画だし、アカデミー賞かと言われたら、うーんそこまでかなあとは思いますが、この長さで全く退屈しないというのはすごいことだし、移民ということについても考えさせられました。私は見て良かったです。何かキーワードで引っ掛かるのであれば、見て損はない映画だと思います。

さて、それでは帰ります。明日も穏やかな1日でありますように。おやすみなさい。