20241216
1週間終了です!ありがとうございました。今週は全体に穏やかで落ち着いた1週間でした。今日も、お客さん来ないかなあと思っていたら、早い時間に思わぬラッシュで、あたふたしました。仕込みも少なめだったため、夜にご来店のお客様にはカレーがご用意できず、すみませんでした!毎週何かしら反省があるな。
これで、年末まで2週間となりました。嘘みたいですね。2025年か。そして、今年立てた目標は、叶いませんでした。グレイバー読破。どころか、2冊?3冊くらいしか読めてません。でも、目標達成のために適当に読んだことにするのも違うので、来年も3冊くらいを目処に頑張りましょう。3冊読むと、読破まで後一歩みたいになるのかな?そんなこと言っている間に、もう一冊出るかも?それはまた、嬉しい積読ということですね。
今年中に読んでしまおうと思った『20世紀の思想・文学・芸術』本日読了です!鼎談なので、内容の濃さの割にはスラスラと読んでしまいました。知らない人名とか、わからない記述もあるにはありましたが、なんとか。これはものすごく面白かったです。買った時には、自分が生きた時代のことを知りたいと思っていましたが、いざ読み始めたら、20世紀の前半というのはすごい時代でしたね。そこがすごく面白くて面白くて。それに比べたら、80年代から後ろなんて、しょぼいですね。なんだろう。
今の30代より下の世代の方には、かなり遠い出来事のように思えるかもしれませんが、私にとっては、20世紀というのはやはり同時代を感じる時だったんだなあと思いました。もちろん2000年以降も、いろいろな文化に触れてはいるのですが、多感で、いろんなことを吸収していたのは、80年代前後でした。そして、この本を読んで思うのは、そういう世代の私にとって、20世紀の初めの頃というのも、自分とひとつづきと感じることができているということです。もちろん第一次世界大戦なんてすごく昔のことだし、第二次世界大戦だって、自分とは無縁の世界です。でも、祖父や祖母、父母からなんとなく聞いていた話、銀座や渋谷にいた退役軍人の人なんかを思うと、過去に繋がっている自分を感じることができるのです。
20世紀前半のところは、教養として楽しむことができましたが、終わりの方で、インターネットの登場などの話があります。ここで、松浦寿輝さんがネット社会に対してかなり批判的な感じなのが興味深かったのですが、そのお話の中で、とても面白いことをおっしゃっています。「インターネットには”外”がないと思うんです。」「仮にインターネットに、そこから”力”が吹きつけてきてその根拠をラディカルに脅かすような”外”がないとすると、ネット空間というのは結局どれほど”広大”であろうと、安穏と自足する無風状態の”内部”でしかないということになってしまう。」すごい慧眼ですね。松浦さんはインターネットに閉塞感を感じると言います。それは「外」がないことに由来するというのです。これは、すごく身近な感じで言ってしまうと、ネットでは自分で調べたものしか出てこない、自分に興味のあるものしか出会えない、ということなんだと思います。ちょっと乱暴ですが。その感覚を「外」がない、という言葉で表現されるのは、すごいですね。
この本はまた、繰り返し読みたいです。参考文献などもたくさん紹介されているので、それも読みたい。またまた欲しい本が増えてしまいます。(『20世紀の思想・文学・芸術』松浦寿輝・沼野充義・田中純/講談社/2024年3月)
さて、木曜日からのメニューですが、カレーは豆のカレー、スープはポトフ、おやつはシフォンケーキ(予定!)、プリン、スコーンです。シフォンケーキ、うまく焼けますように。それではまた木曜日に。おやすみなさい。