喫茶と読書 ひとつぶ

20240919

昨日は川村美術館に行ってきました!今までいつも朝一だったので、夕方行ってみようと思って、仕込みを早めに終えて。着いたのは3時前くらいで、ものすごく暑くて。それでも白鳥や鴨たちはのんびり泳いだりしていました。湖の写真をパチリ。そしてそのまま建物の中に入ることが多かったのですが、今回は外観もパチリパチリ。

入館すると確かにいつもより人が多い。そういえば車も多かった。今まで聞いたことのなかった作品の説明のアプリをダウンロードしました。今回はいつもと少し展示が変わっていて、レンブラントの部屋を出たところに、エルンストの『化石の森』がありました。そしてその先に、企画展にまつわる展示をしている部屋があります。今の企画展は『西川勝人 静寂の響き』というもので、この方はドイツに在住されているそうです。その関連で、ドイツの作家たちの作品が展示されていました。今日来たのは、これも目当てでした。ヴォルツというアーティストがいまして、私はこの人の絵が大好きなのです。ヴォルツを知ったのも、この美術館でした。繊細な細い線画に淡く着色してあったりなかったり。その線を辿っていると時間を忘れます。

それからロスコルームへ。もう言わずもがなですね。思う存分センチメンタルに浸ってきました。人がたくさんいたら嫌だなと思っていましたが、午後の遅い時間だったせいか、天候のせいか、人は少なくて、静かに色彩の中に身を埋めていました。

2Fの企画展の展示は、とてもよかったです。トゥオンブリーの部屋も今回は西川さんの作品で構成されていて、すごくきれいでした。色彩が和だなと思ったのですが、ごめんなさい、失念してしまいましたが、ヨーロッパのアーティストの作品から取った色なのだそうで、意外でした。大きな展示室の作品もどれもすごく良くて、特にドローイングはこれまたいくら見ていても飽きない。植物か、もしくは建築物の柱頭などに使われるモチーフみたいなものなのか、それをペンで描いて淡く着色してあって、これは本当にきれいだった。カタログの写真では全く伝わらない繊細さがあって、素晴らしかったです。

その部屋を抜けると、薄暗いラビリンスです。薄暗い、というのは、こちらは完全に自然光のみの展示になっているからでした。今思い出しても、その人工的な照明と違う、少しブルーを帯びた光がとても美しかったです。まるで墓地のようでした。

この美術館がこの企画展を最後にもしかしたら閉館してしまう。その最後の企画展で、建物が取り入れる光を感じられて、この建築の素晴らしいあり方が見られてよかったなと思いました。

全ての展示を見終わって、ショップに行ったら、そこには嬉しいサプライズが待ち受けていました。mitosayaというところのドリンクなどが売られていたのです。mitosayaについてはまたいつか書こうと思っていましたが、千葉にある蒸溜所です。ユトレヒトという本屋をやっていた江口宏志さんという方がやっています。私は『家族』という雑誌でこの蒸溜所のことを知りました。調べるとすごい方、すごいお仕事で、いつかひとつぶでもお酒を扱いたいと思ったりしているのです。そのmitosayaさんがこの西川さんの展示に合わせてドリンクとキャンディスを作られていました。迷いに迷ってドリンクだけ買ったけど、やっぱりキャンディスも買えばよかったかも、と今後悔しています。

ショップに寄ってから、茶席に行ったり、もう一度見たいところを見て回ったりして、素晴らしい時間を過ごしました。私が館内にいる間に少し雨が降ったようでした。外に出たら、ものすごい湿気で、湖の向こうの空はなんとなく薄ぼんやりと紅が差していました。

まだ休館まではとりあえず4ヶ月あります。何回か足を運ぼうと思います。

さて、それでは帰ります。火曜日も内藤礼さんと、河野菜穂子さんの展示を見て、とても充実したのですが、それはまた。ではおやすみなさい。