喫茶と読書 ひとつぶ

20240913

こんばんは!今日も暑かった。マルサン堂さんにパンを買いに行く時に、くらっとしました。殺人光線。影になっているところは、風が吹いて、そんなに大変な感じではなかったですが、日差しがね。でも、来週の中頃から少し和らぐみたいなので、最後、がんばりましょうね。

今日も割と時間があったので、本を読んでいました。今日は『月ぬ走いや、馬ぬ走い』です。芥川賞候補作だったのですよね。残念ながら受賞は逃してしまったようですが。立ち読みで面白かったので、購入しました。その時には冒頭の2、3ページくらいだったので、沖縄の言葉で、少年の目線から書かれたものだったのです。それがずっと続くのだと思っていたら、あら、勘違いでした。数人の目線から書かれたものを構成した物語でした。面白かったー。最近小説を読んでいなくて、SFで何か面白いもの読みたいなあなんて思っていたのですが、その気持ちはこの作品で満たされました。もちろんSFではないですよ。でも、人間関係がだんだん浮かび上がってきて、引き込まれて一気に読みました。おすすめです。最後まで読んだのですが、ちょっとわかっていない人物関係があって、もう一度ざっとその辺を洗い出しています。

これを書いたのは豊永浩平さん。まだ21歳の学生さんのようです。すごいです。学生運動のこととか、沖縄の戦中や戦後のこととか、よく書き切っているなあと、びっくりしました。今初めて読んだのですが、帯に古川日出男の文章があって、これがすごく端的に書かれていたので、引用します。「14章の構成で沖縄の近現代史を描き切る、この小説はほぼ全編、ある意味では作者自身のものではない言葉で綴られていて、だからこそ憑依的な文体を自走させている。要するに本作は小さな巨篇なのだ。」憑依的な文体、そうですね、素晴らしい表現。さすがです。今後にも期待ですね。素晴らしい。(『月ぬ走いや、馬ぬ走い』豊永浩平・講談社・2024年7月)

さて、それでは帰ろうと思います。明日から三連休の方が多いのでしょうか。私も頑張らないとな。よろしくお願いします。おやすみなさい。