喫茶と読書 ひとつぶ

20240712

こんばんは。昨日も今日もひとつぶは静かです。凪いでます。

そんなわけで、昨日も今日もがっつり読書していました。今日は『母を失うこと』という去年になるのかな?この間の翻訳大賞を受賞した本を読了しました。翻訳者は榎本空さん。私はこの肩の文章がとても好きなのです。でも、この本はちょっと難しかった。途中まで本当に何が書いてあるのかさっぱりわからない、という状態で、苦しかったです。アメリカの黒人差別のこととか、アフリカのこととかについて、ある程度知識を持っていないと厳しいのかもしれません。ですが、中盤から、記述が具体的になって、そこからはなんとかついていけたように思います。この状態でもう一度読み返したら、理解が深まるかもしれません。アメリカで差別を受けている元奴隷の視点と、アフリカで貧しい暮らしをしている現地の人の視点。そしてヨーロッパやアメリカに奴隷を売っていたのは、実は同じ黒人だったということ。差別とか多様性とか、簡単に割り切れることではないんですね。

そして昨日読んでいたのは雑誌の『世界』です。今回は特集も記事も面白く読み応えがありました。その中で、毎号楽しみにしている小川公代さんの連載が、考えさせられました。今回のテーマは「ポリアモリー」。これはwikiによると「関与する全てのパートナーの同意を得て、複数のパートナーとの間で親密な関係を持つことまたは持ちたいと願うことを指す。」ということだそうです。これに対して、一夫一婦制は「モノガミー」です。ポリアモリーの人が結婚をする、またはポリアモリーの人の家族、というのは想像できますか?これがとても難しい。普通に不倫だーみたいなことでもないのです。そもそもポリアモリーというのは、関係性をめぐる言葉であって、必ずしも性的関係を前提とする概念ではないのだそうです。となると、性的な関係性がなくても、家族となりたい、ケアをし、されたいという関係性の場合、またそれが3人以上の複数人であった場合・・・。というような問題提起がされていて、家族って一体なんだろう?という疑問が投げかけられています。今書きながら思いましたが、これは必ずしもポリアモリーであることは前提ではないかもしれないですね。問題がごっちゃになっているかもしれないです。

さて、それでは帰ります。明日も雨ですよね。三連休か!おやすみなさい。また明日。