喫茶と読書 ひとつぶ

20200408

内装工事をお願いしているつみき設計施工社さんの本『ともにつくるDIYワークショップ』という本を読む。つみきさんが開催しているDIYというものの細かいプロセスが事例と一緒に紹介されていて、とても面白い。自分はあまり手先が器用でなく、工作も苦手だったので、縁遠い世界ではあった。でも、もともとマニュアルみたいなものを読むと、それを試してみたくなるところがあって(だから手芸本・料理本はとても危険)、タイルなんかはすごくやりたくなった。漆喰も。もともと漆喰の壁大好きだし。きっとやってみたらすごく難しくて、すぐ諦めてしまいそうだけど、こういう本はとても面白い。

そして、河野さんご夫妻や夏目さんのそれぞれの対談などもあって、それは先にご本人と面識があるので、お会いする前にこれを読んでいたらよかったかもとか、思うところもあった。みなさんとてもすごい方で、心から尊敬。こういう方達に関わっていただけるひとつぶは本当に幸せだと思う。

一番面白かったのは、最後の方の123ビルヂングの記事だった。omusubi不動産さんと、つみきさんとのコラボレーションから生まれた空間とプロジェクトの話。自分も本八幡に住んでいたこともあって、興味深く読んだ。今住んでいる柏もそうだし、今まで住んでいたところ全部に言えるのだけど、私は住んでいる土地にあまり執着がない。父が転勤族だったこともあるのかもしれないけれど、長野も、松本も、目黒区も杉並区も、本八幡もみんな良いところだった。物心着いてから住んだところには、全て何かしらの記憶や愛着みたいなものはもちろんある。けれど、どの土地にもあまり根付かず、ふわふわと漂ってきたように思う。そのこと自体も後悔はない。けれど、住んでいるところとか自分の家に対してもう少し違う姿勢ってあったのかもしれないなと、最近思う。コロナのせいで、家族もみんな家にいたり、自分も用もないのにフラフラ出かけたりできなくなったからかもしれない。居場所のようなものを、深く掘りながら生きていたら、今頃どんな自分だったのだろうと思ったりする。

ひとつぶもDIYのワークショップを開催する予定である。でも、こんなご時勢なので、大々的にというわけには行かなそう。ひっそりと内輪でやるかもしれない。その前にはもう一度精読して、DIYの精神を身につけておきたい。