喫茶と読書 ひとつぶ

ひとつぶの席 3

クラシックなゾーンからモダンなゾーンへ。こちらはフローリングも新しいものに塗装をしたもので、全体に明るい(ひとつぶ的には)です。

この席はひとつぶ全体を見渡せます。かなりゆったりとしたソファで、SWITCHというメーカーのもの。体が沈み込む感じも、背中のクッションもちょうど良い按配。カウンターを背にしますので、私からは実は死角となります。何かご用があったらお呼び下さいね。

テーブルはつみき設計施工社さんのご指導のもと、DIYで作ったものです。しっかりとした作りですが、軽くてとても使いやすい。全部で3つ作りました。これを作るときに、ピンみたいな釘?を打つ作業があって、事故が起きないように、つみきさんにたいそう脅かされ、すごく怖がりながら作業をしました。もちろん慎重に作業したおかげで、何事もなくテーブルは完成しました。

この席の横には本を1冊置ける桟があって、そこに1冊の本を立てています。「わざわざの働き方」という本です。長野県の東御という町の山の上に1軒のパン屋さんがあります。お店の名前は「パンと日用品の店 わざわざ」。店主は平田はる香さん。2009年に創業し、2017年に株式会社に、2019年に姉妹店「問tou」をオープン。オンラインと実店舗の両方で営業されています。私が知ったのは多分2018年くらいだったのですが、ものすごい勢いで成長されていましたが、全く衰えていない、というか、加速していると思います。

そのわざわざの平田さんが、「働くとは何か」「わざわざはどんな理念で動いているのか」ということを書かれたのが、この本です。ユニークなのは、わざわざの採用の応募書類はこの本の感想文というところ。理念を踏まえてから応募する、会社のことをわかってもらっている人の中から採用するという、互いにとって、合理的な方法ですね。内容も具体的で読みやすく、わかりやすい。明快です。この本に私はともても感銘を受けて、会社の中でも実践できることがないかと思い、がんばってみたこともありました。線を引いて読んでしまったので、今回新しく買おうかなと思ったら、売り切れていました。また再販するのかな。次はまた新しいことをされるかもしれませんね。ブラッシュアップが進んでいるだろうと思います。

平田さんのこの本を読んだ後に、『ティール組織』という本を読みました。この2つは驚くほど共通部分があると思います。どちらにも共通するのは、現場主義、共通理解、自由度が高いということでしょうか。実際に実現しているのかどうかはわかりませんが、採用プログラムの工夫とかモチベーションの維持、のようなことを続けていくことによって、働く人がより主権を持ってビジネスに臨むことができるようになるのではと、私は思っています。でも、自由は茨の道。そういう働き方を望んでいない人が多いのも現実かと思います。

右側には画集や写真集の棚もありますので、働くことをじっくり考えたら、面白い写真や美しい絵を見てくつろいでください。照明は右手にあるスタンドです。足元にフットスイッチがあります。また、スピーカーが近いので、音楽がうるさいときは言ってください。そして最後に、この席からの欅はとても美しいです。天気のよい日中にご鑑賞ください。